Author: Ken Liu
翻訳版の有無: なし
映像化: なし
英語レベル: AdvanceよりのBasic(洋書に一日3分向き合えるレベル)
この本を読むと、「取っ散らかったことは、いつか向き合わないとと思わせてもらえる」というベネフィットを得られます。
Amazonオリジナルシリーズの本作ですが、シリーズの中で一番解釈が難しいお話でした。
ごちゃごちゃの部屋を片付けるcleanerが依頼元であり、依頼主の姉妹が身の回りの取っ散らかった物事に向き合っていくお話です。
普通の片付け屋の話かと思ったら異なり、あまり心のattachmentが強くなかったです。
が、「取っ散らかったこと」というのは、私達にも馴染みのある話です。
トラウマ、失敗、挫折、成長の機会など、本当は向き合わなければならないことを先延ばしにし、臭いものに蓋をして現状維持に満足する私達。
本作は、それを具体的に示していませんが、依頼主の姉妹のステータスの違いから「臭いもの」を感じ取ることが出来ます。
姉は、典型的な長女らしく世話焼き。
金銭的なステータスが今や妹の方が上なのに、いつまでも姉としての主導権を握りたい様子。
一方の妹も、金銭的ステータスを活かして責任を取るわけでもなく、不満に思いながらも妹としてのポジションを享受する。
うぅん、これは長女の私もいたたと感じながら読みました。
金銭的なこと、パートナーシップ、社会的ステータスなど、私達は枠に閉じ込められるし、その枠に属すことで安心感を得られます。
もちろんその枠を飛び出して、成長の機会を手にすることだって出来ます。
ただそれを実現するには、まずは身の回りの「取っ散らかったこと」に向き合わなければなりません。
新しい家具が欲しいと思いったら、不用品を手放す。
今いる場所を飛び出して違うところで生活したいと思ったら、場所や家といったものの環境を調べる。
拗れた仲の相手ともう一度仲良くしたかったら、(相手から謝るべきパターンもあるけど)自分から謝る。
簡単なようで中々出来ない場合もありますね。
これは、私の場合は現状を変えたくないから。
理由はこれに尽きます。
変わりたくないと思うと、婚活しない、転職活動しない、連絡しない。
逃げ続けることでいつか貪られるその空虚感を、もう持ち越したくないと思ったら、小さな一歩でokなので、行動してみよう。
本作品はそう思わせてくれる作品になっています。
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