top of page
執筆者の写真Masumi

Book Report: A Walk To Remember

更新日:2023年5月6日

Author: Nicholas Sparks

翻訳版の有無: あり。邦題「奇跡を信じて」

映像化: あり。「ウォーク・トゥ・リメンバー」

英語レベル: Advancedレベル(洋書を1年間に1冊読了出来る)


この本は、こんな人達にオススメします。

・人生変わった、と思う瞬間に立ち会った人

・Giveの精神の人が自分の周りにいる人

・反抗期の少年が精神的に安定する成長が見たい人


初期のニコラス・スパークス作品の中でも人気が高い本作は、主人公Landon(ランドン)の心の成長を描いています。

しかも、典型的なボーイミーツガールの展開なので、読みやすい作品。

しかもガールが悲劇的な運命の持ち主のため、ありがちなプロットですが、読者は引き込まれること間違いなし。

ありがちなのに、登場人物の心理描写が瑞々しく、読みやすいです。


十代特有の、何事に対してもイラつきを覚えるLandonは、家族も友人関係も恵まれていますが、本当は心が寂しい。

その要因は、両親、特に父親との結びつきが弱いために起こっています。

政治家の父を持つLandonは、彼が傍にいてほしい時に父が不在で、その寂しさが彼を反抗的な態度を取らせるのです。

典型的な反抗期少年です。

彼が反抗的な態度を取る相手は、もう一人、牧師のHegbert(ヘグバート)で、自身の父も彼と馬が合わず、ある種Hegbertを陰で揶揄することで、自分は父と同じになれると心の底で感じるために、LandonはHegbertを友人と陰で馬鹿にします。


Landonを成長させる相手であり、ボーイミーツガールの相手となるのが、同級生でありHegbertの娘Jamie(ジェイミー)。

彼女はないものだらけの中で生きますが、自分の置かれた場所で輝き、あるがままを感謝する心優しく、また心の広い女性です。

Jamieの母は彼女を出産した時に亡くなり、しかも父は年老いてから親になり、再婚もしていないため一人っ子で家も静か。

更に裕福とは言えない家庭で育ちますし、一人親の中、特にHegbertへ反抗することなく、親子の繋がりもしっかりしています。

しかも養護施設でボランティア活動を行う奉仕の人。

Landonが反抗したくなる気持ちもわかる気がします。

自分はこんなにいろいろなものを持っているのに心が満たされず、Jamieといると自分がいかにも器の小さな人だと、言われているみたいに感じます。

が、そんな彼女に頼らざるを得ない場面に出くわすLandon。

高校最後のイベントであるホームカミング。

ホームカミングは、海外、特にアメリカの学校で行われる年一回のイベントで、卒業生を迎えてお祝いするイベント。

だいたい一週間かけて学校のイベントを行い、最終日はダンスパーティーなど開催する学校もあります。

私が通っていた高校は、最終日にスポーツイベントを行って、在校生からホームカミング・キング&クイーンのペアを選出していました。

話を戻すと、Landonは高校最後のイベントに一緒に行く相手が見つからず、泣きの相手でJamieを誘うことを決断します。

一人で行くより、馬鹿にする相手の娘を伴ってパーティーに参加する方が、まし。

反抗期真っ只中の少年にありがちな行動ですね。

このホームカミングをきっかけに、LandonはJamieの養護施設ボランティアにも関わるようになり、徐々に彼女を知るようになります。


典型的過ぎる展開ではありますが、LandonはJamieを通して自分がどうなりたいか、特に父ともっと関わりたいという気持ちに素直になります。

物語の後半、Jamieが直面する運命を知った後も、Landonは彼女のを救いたいと奔走し、彼は今まで自分さえよければ良いという気持ちから誰かのために力を尽くすこと、時間を使うこと、などの成長もありがちですが、Landonの真摯さが胸を打つこと間違いなしです。

物語の結びの一文、二人の恋は悲劇だと思い読み進めた読者を裏切る内容になっています。

冒頭にLandonが、彼のJamieとの恋物語を「初めに笑い、最後に泣く。ちゃんとアラート出したから、聞いてないなんて言わないでね」という内容の言葉を使って話し始めるのですが、本当に言われた通りです。

十代の二人が恋に落ちる前、落ちる瞬間は私、笑っていました。

後半の悲劇も目頭が熱く、そして結びの一文に感動して泣きました。

何が書かれていたのか、これは「読んでみよう」と決めた方へ答え合わせをお任せします。


閲覧数:2回0件のコメント

Comments


bottom of page