Author: Meg Cabot
翻訳版の有無: なし
映像化: なし
英語レベル: Advanceレベル(一年に一冊洋書を読了できる)
この本は、こんな人達にオススメします。
・ギリシャ神話に興味がある人
・「もはや!」な体験をしたことがある人
・不思議な体験をしたことがある人
今回の作品はリベンジ作品です。
「リベンジ」という単語は、本来の英語と和製英語とで異なる意味合いを持ちますが、今回、私が指すリベンジは和製英語のもの。
十年以上前に一度挑戦し、その時の英語の読解力では理解できませんでした。
残りの二作を残してずっと挑戦せず放置したままでしたが、Amazonで面白そうな本を探す中、何度もbrowseしてしまうのがこのシリーズ。
観念して購入しました。
そして、それを機に第一部となる本作品を再読しました。
主人公のピアス(Pierce)は臨死体験を経験した高校生。
祖母がくれたスカーフに足を取られ、プールに落ち仮死状態になったところを救出された過去を持ちます。
その臨死体験で、彼女はジョン(John)という人間なのか死神なのか得体の知れない男性と知り合います。
まるでギリシャ神話の冥王ハデスとその妻となったペルセフォネのごとく、得体の知れないジョンのパートナーと選ばれてしまったピアス。
彼女の臨死体験のために、両親は離婚し、彼女の従弟アレックス(Alex)とその父クリス(Chris)はピアスを気遣いつつも興味津々です。
(父親が自宅で会議中にピアスが事故を起こし、その会議中に外出先から帰宅した母親がピアスを発見したことで、父親を責めて離婚に至る。)
で、現実世界に戻ることが出来たピアスですが、この得体の知れないJohnが現実世界に現れるところ何度も見ていて、何が現実なのかわからない。
更に、悪魔から友人を守るというような、客観的に聞くとちょっと怪しい発言をしてしまうに至り、ピアス自身も自分の臨死体験を気味が悪いと思うようになります。
やがて両親の離婚を経て、母親の地元であるフロリダ州の小さな町へ引っ越すに至ります。
そこで新しい人生のスタートを切りたいピアスですが、ジョンが黙っていません。
彼女の身が危険に晒されるたびに、ジョンが現れるのです。
ピアスとジョンを繋ぐのは、彼女の胸元に光るダイアのネックレス。
彼女の感情の起伏に合わせて色が変わる、とても珍しい品物です。
この作品はギリシャ神話と臨死体験を上手に取り入れた作品になっていて、至るところで冥王ハデスとその妻ペルセフォネをテーマにしたエピソードが出てきます。
臨死体験をしたピアスが連れてこられたのは、地上と冥界を繋ぐ小部屋のような空間。
彼女の身を守るために、ジョンがそこへ閉じ込めようとしますが、まるでハデスがペルセフォネを地上から連れ出した場面をオマージュしているようです。
冥界を象徴するジョンが地上を象徴するピアスを危険から守るところで第一部は終了しますが、この先どのような展開になるのか気になります。
リベンジで再読しましたが、前回と同じ感想で、中盤までの話の流れはよかったのですが、最後のジョンがピアスを危険から守るところが突っ込みどころありでした。
今、集中力が切れています。
ジョンは人間ではないことが中盤までの間に語られ、ピアス以外にも彼の存在を知る人とピアスが理解をし合う場面がとてもよく、そのあとに続く流れを楽しみました。
しかし、ピアスを付け狙う意外な人物の正体が暴露され、その人から守るためにジョンがピアスを連れ去るところから「このあと、どうなっちゃうの?」と戸惑いました。
展開が唐突だからなのですよね。
いまいちわくわくが感じられない結びでした。
十年以上前に放置した宿題を、これから解いていこうと思います。
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