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Book Report: Always and Forever, Lara Jean

執筆者の写真: MasumiMasumi

Author: Jenny Han

翻訳版の有無: なし

映像化: あり「好きだった君へ これからもずっと好き」

英語レベル: Advanced(一年に一冊洋書を読破出来るレベル)



この本を読むと、「自主性の大切さを実感させてくれる」というベネフィットを得られます。


人と同じ時間を過ごす、というのは人間関係を築くうえで大切なアクションです。

親子、兄弟は家族という名のもとに、否応なしに同じ時間を過ごすことになりますが、友人、恋人、パートナー同士、仕事関係といった人間関係では時間の共有が大切になってきます。

本作では、大学進学に向けて動き出すララ・ジーンとピーターとの関係や、前作の後半でフォーカスされた父のパートナーにフォーカスが当たります。

 

ララ・ジーン達は進学に向けて試験や願書提出などの動きをかけて、ピーターとのキャンパスライフを夢見ていました。

それが簡単にいかないのが人生で、ララ・ジーンの第一志望校からは良い返事が届きませんでした。

別の大学に一年通って途中で編入する、ということは海外の大学生達が行う手法なので、ララ・ジーンもその方向を目指します。

一方、変化しそうなのは自身の家族のことで、ララ・ジーンの父は、隣人のトリナ(Trina.おそらくカトリーナの短縮)と交際を始め、やがてプロポーズする方向へ。

トリナに懐く妹キティーはこの結婚に賛成ですが、スコットランドの大学に進学した姉マーゴットは難色を示します。

ララ・ジーンとのビデオチャットを通じて、マーゴットは、近隣住民同士が交際して別れた時に気まずくなると苦言しますが、結局二人は結ばれるのです。

マーゴットが難色を示すのは、自分が家族から離れた間に生まれた人間関係から取り残された気分になったため。

さらに、キティーの母代わりでもあったマーゴットは、キティーがトリナを気に入ることで、居場所がなくなってしまうのではと不安に駆られます。

一方のキティーも、マーゴットがトリナを気に入ってくれないことが悲しいと感じます。

二人の間をとりなすララ・ジーンの姿は、なんとも中間子らしく、中立で双方の主張を冷静に観察しています。

 

こうした人間関係の変化を経験する時に、自分はどうしたいかという自主性を持つことが大切だなと感じました。

年齢や環境で変わる人生のステージに、自分はどうありたいか、どうしたいかということを持っておかないと、すっかり流されてしまいます。

流されることも時には必要で、自分ではどうすることも出来ないこと、例えば子育てや親の介護という場面では、抵抗せず受け入れるしかないのかなと思います。

ただ、子育て一つとっても専業主婦・主夫になる、共働きする、親世代の力を借りる、介護も自分の手で親を介護する、施設に預けてプロの手を借りる、その両方を取り入れる、など考え方次第で様々なことができます。

今回のララ・ジーンの状況も、特に大学進学をどうするかが彼女の課題になりますが、ピーターと同じ大学に通いたいという希望と、自分が学びたいことを満たせる大学に通いたい

という希望は、マッチするのが難しいです。

恋のために夢を諦めるのか、ということに二人は向き合いますし、諦めそうな素振りを見せるピーターの姿を見て心配した彼の母が、ララ・ジーンに苦言するというシーンがあり、様々な立場から考えさせられます。

(ピーターの母から声を掛けられたララ・ジーンが出した答えも納得でした。)

様々な人間関係が交差する変化の時に、自分がどうしたいか、一本太い軸を持っていると、人はどんな変化にも対応できるのだと思わされます。



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