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Book Report: Bambi: A Life in the Woods

執筆者の写真: MasumiMasumi

Author: Felix Salten

翻訳版の有無: あり。バンビ 森の生活

映像化: あり「バンビ」

英語レベル: Advanced(一年に一冊洋書を読破出来るレベル)



この本を読むと、「自分と自然の世界の繋がりを感じさせられる」というベネフィットを得られます。


本作の主人公は鹿。

なので、擬人化した状態で作品を読むことになります。

ディズニー作品として取り上げられたとはいえ、動物が主人公ですからあまりメジャーと思えないのは私だけでしょうか。

(人間ではない存在が主人公の作品で、一番有名だと私個人が思うのは、「トイストーリー」シリーズです。)

あるメス鹿がバンビを生みました。

オスと離れて過ごす鹿の習性から、バンビは幼少期に父親と過ごした思い出はほとんどありません。

しかし、成長したバンビは後に父親である鹿と師弟関係のような絆を抱いていきます。

一方、バンビは母親と、さらに母の従妹エナ(Ena)と彼女が生んだ双子の兄弟ゴボ(Gobo)とファリーン (Faline)と幼少期を過ごします。

ゴボは繊細で成長が遅いオス鹿で、一方のファリーンは口の立つメス鹿です。

年齢が近いこともあり、三頭はすぐに仲良くなります。

このゴボが後に、野生動物と人間の関わり合いについて象徴的な立場に立たされるのですが、中々複雑な気分になるエピソードに触れることになります。

バンビを通じ、一頭の鹿の成長を見ていくことになるため、バンビは恋もオス同士の決闘も経験します。


先に出したゴボのエピソードは、私達人間と動物や自然界とのかかわりを考えさせられるエピソードでした。

ある日、バンビ含め森の動物達は人間の狩猟に遭遇するのですが、その狩猟をきっかけに、ゴボは人間と関わることになります。

野生動物が人間と関わると、野生に戻れなくなるパターンがあります。

もちろん、野生動物を適切に保護し、のちに野生へ返す活動もあるため一概に人間に関わった動物すべてが自然に返れないわけではありませんが、線引きを間違うと大変なことになります。

狩猟を仕掛け、生命を脅かしたのは人間なので、バンビ達のマインドは人間=危険、という方程式が成り立っています。

一方、人間との関りを持ったゴボは、人間が必ずしも危険とは思っていません。

そのエピソードが後にゴボの運命を決め、そのエピソードが、私達読者に自然との関わり方には細心の注意が必要だと、訴えかけています。

動物の命を預かるというのは、人間の命を預かることはまた違う面で注意と覚悟が必要だと、再認識させられます。



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