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Book Report: Little Women

  • 執筆者の写真: Masumi
    Masumi
  • 5月11日
  • 読了時間: 3分

Author: Louisa May Alcott

翻訳版の有無: あり「若草物語」

映像化: あり「愛の若草物語」

英語レベル: Advanced(一年に一冊洋書を読破出来るレベル)



この本を読むと、「幸せは自分の力で探すことが出来ると気づける」というベネフィットを得られます。


数か月前に読んだ四姉妹の物語「Blue Sisters」に感化され、挑戦し始めたのが「若草物語」。

四姉妹という設定は文学作品、映像作品に留まらず、CMなどでも使われています。

お菓子も四姉妹の設定を使って宣伝したこともあったし、朝の連続ドラマでも四姉妹が出てきました。

でも有名な「若草物語」は、有名だというのに私は未読でした。


キリスト教の教えに従い、生活を営むマーチ家の面々は、戦争で不在のする父の帰りを待ちながら慎ましく暮らしていました。

とはいえ人間として成長過程にある若い四姉妹だから、精神的に未熟さも目立ちます。

長女メグ(Margaret)は一家の裕福な時期を知るだけに、昔の華やかさに目が行きがち。

次女ジョー(Josephene)は自我が強い故に、自己都合を貫き通しそうな危うさがある。

三女ベス(Elizabeth)は内気さが足枷となり、自分の想いを上手く人に伝えられない。

末っ子エイミー(Amy)は姉達に負けまいという気持ちが強いため、本来の自分がまだわからない様子。

それぞれ瑞々しい個性が光る姉妹の輪の中に、隣の家に住むローリー(Theodore “Laurie” Laurence)が加わり、苦しい情勢の中で生き生きとしています。


「若草物語」は四冊で構成される物語のようですが、一冊目の第一章で、上記に書いた、姉妹それぞれが持つ見栄や欲とどう向き合うかが描かれます。

第一章で遠く離れた父から手紙を受け取るのですが、手紙の内容が姉妹の心を打ち、それぞれが己の欲や未熟さを自覚するのです。

人間ですから、見栄や欲を持つことは別に悪いことではありません。

むしろそれがその人らしさを引き立たせるのですが、結局それが原因でトラブルを引き起こすのが、第二章以降で描かれます。

作者は、ジョーのモデルは自分自身だとしているようで、私は物語を通じて、大人の女性になりゆく今後のジョーの成長が楽しみになりました。

美しさや豊かさを求めるメグでもなく、あるがままを受け入れるベスでもなく、強かに輝くエイミーでもなく、自分の物語を書きたい、その物語を通じて一家を助けたい、認められたいと真っ向から戦うは、どう成長するのでしょうか。

彼女達は、自身の見栄や欲と向き合いながらも、それは決して不幸なことではないとわかっているので、明るく健やかな四姉妹に感じます。

(そんな彼女達とだから、お互い年頃とはいえローリーも心地よく交流するのです。)

ちなみに年の近いローリーとジョーは親友のようですが、やはり異性なので、幼馴染から恋人に発展するのかな、なんて一読者の私は楽しみにしながら読んでいます。

作家として活躍したいジョーだから、その気持ちをローリーが汲んであげられるのかな、なんて思ったりもするのです。

(当時の風潮だと男性が女性を養うのが世の常で、となると女性の社会進出をさせるパートナーに対する風当たりは強いのではないでしょうか。女性が独身なら話は別ですが。)



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