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Book Report: Basil of Baker Street

  • 執筆者の写真: Masumi
    Masumi
  • 7 時間前
  • 読了時間: 4分

Author: Eve Titus

翻訳版の有無: なし

映像化: あり「オリビアちゃんの大冒険」

英語レベル: AdvancedよりのBasic(一日三分英語に向き合えるレベル)

*続編に「Basil and the Lost Colony」、「Basil and the Cave of Cats」、「Basil in Mexico」、「Basil in the Wild West」があります。


この本を読むと、「困っている人に手を差し伸べたくなる」というベネフィットを得られます。


友人と、子供の頃に観て育った作品の話をすると、宮崎駿作品かディズニー作品かで二分するのですが、ディズニー系列に属されるこの「オリビアちゃんの大冒険」に原作があったことを知ったのはつい最近の話。

私、この作品が大好きで、子供の頃はよく観ていました。

成長するにつれ、作品の背景を自分で調べるくらいに行動力が伴い、結果としてこの作品は、実は宮崎作品をオマージュしていたことを知るのですが、それは別の話。

そして、また一つねずみが主人公の物語に出会ってしまったのも、また別の話。


原作は映像作品とだいぶ異なりますが、私はどちらも好き。

主人公のバジル(Basil)は、映像作品に登場するバジルのように自分ラブがそこまで強い人ではないし、彼の相棒のドーソン博士(Dr. Dawson)は映像作品で描かれた者と違い、そこまで年老いていない。

しかし、原作者であるEve Titus氏がコナン・ドイルへの敬意を示していることは、原作はもちろん映像作品からも伝わってきました。

ホームズとワトソンをモデルにした本作は、シャーロック・ホームズ作品を読んでいない人でも楽しめるように作られています。


シャーロック・ホームズが住む家に居つくねずみのバジルとドーソン博士が本作の主人公。

この世に生きる素晴らしい探偵(世界二位)の称号を持つバジルは、今日も事件解決のため大忙しで、助手のドーソン博士と共に、様々な依頼を受けます。

原作のバジルの魅力は、頭脳明晰な探偵を生業にするねずみでありながら、彼が師と仰ぐホームズに対する敬意ゆえ常に謙虚であること。

自らの知性をひけらかすこともせず、彼を頼りに訪れるねずみ達を受け入れます。

オリジナル版のEve Titus作品最初のエピソードの「Basil of Baker Street」は、行方不明になった双子の姉妹アンジェラとアガサと(Angela and Agatha)の捜索に焦点が当たります。

学校から下校途中の姉妹が夜遅くなっても帰らず、彼女達の両親が助けを求めに訪れるのですが、彼らに親身に寄り添うバジルは淡々と事件解決への糸口を探ります。

作品を読み進める中、姉妹の失踪は誘拐事件だったと読み解くことが出来るのですが、捜査を進めるうちに、事件性の低そうなところから繋がりを見つけ出し、実は大きな問題に繋がっていると紐解くのはバジルの実力をうかがえるところ。

他作品の「Basil in Mexico」でも、著名な絵画作品に取りつかれたキュレーターにも理解を示すバジルの姿には、温かみ溢れる印象を受けること間違いありません。

この作品は、モナ・リザならぬ「Mousa Lisa」という名画の真贋をめぐる物語で、美術館に飾られた名画にまつわる謎をめぐりながら、バジルとドーソン博士はメキシコ滞在中に遭遇した事件にも親身に解決へ乗り出します。


そして、事件を解決する側に立つバジルだからこそ、敵も持っているわけで。

バジルが作品を通じて敵対するラティガン教授(Professor Ratigan)は、数々のエピソードの黒幕です。

映像作品では、彼はハツカネズミ系のねずみ(mouse)ではなく、どぶねずみ(rat)という分類でいかにも悪役風情なのですが、書籍の方でも体格の大きい風体でバジルを威嚇します。

彼には全国に仲間がいて、世界を悪で満たそうとするのですが、バジルにも味方がいるのでピンチに助けが駆けつけるのですね。

バジルはラティガン教授を追っては捕まえ、そして逃げられてという攻防を繰り返すのですが、彼以外にも悪人は登場し続けるので、息をつく暇もありません。

バジルは探偵を生業にしているので、常に緊迫した空気の中で生活していますし、緊張続きなのですが、数々の仲間や謎解きをした先に見る美しい光景に心を動かされるのかと思います。

危険を伴う仕事ですが、生来誰かを助けたい、誰かの役に立ちたいという思いがあるからこそ、バジルの生業が成り立つのです。

彼の活躍が楽しめる作品です。

本作は、オリジナルのEve Titus版の他に、Cathy Hapkaが書いた三作品もあるので、比べて読んでみたいと思います。

*このレポートを書いている時点で、まだ読んでいません。



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