top of page

Book Report: Black Beauty

  • 執筆者の写真: Masumi
    Masumi
  • 2022年5月6日
  • 読了時間: 3分

更新日:2022年6月5日

Author: Anne Sewell

翻訳版の有無: あり。邦題「黒馬物語」

映像化: あり。「ブラック・ビューティー」「黒馬物語ブラック・ビューティー」

英語レベル: Basicレベル(洋書に一日3分向き合える)


この本は、こんな人達にオススメします。

・馬が好きな人

・山あり谷ありな人生を歩んできた人

・これからペットを飼おうと検討中の人


昨今日本では馬をテーマにしたアプリゲームが爆発的に流行しています。

SNSでBGMが使われているだけでなく、テレビCMなどでゲームの宣伝をしていますね。

馬とは乗馬用の馬や競走馬としてだけでなく、家畜として人間の手助けになっていた歴史があり、身近な動物の一つです。

その馬を主人公にした文学作品が、この「Black Beauty」です。

主人公は黒い馬のブラック・ビューティー。

イギリスの牧場に生を受けた後、仔馬時代はこの牧場で穏やかに過ごしますが、主の奥さんが体調を崩したことを機に、主家族が引っ越すことに。

ブラック・ビューティーは、同じ宿舎にて世話をされていた栗毛の牝馬ジンジャーと一緒に次の屋敷へ移りますが、その後は役割を変えて転々とする姿を描いています。


この一文だけ書くと、いかにもブラック・ビューティーが波乱万丈な人生を送る馬だと感じるかもしれません。

確かに一定のところで留まっていないため、馬にしてみれば決して穏やかではない一生だったと思います。

ブラック・ビューティーの魅力は、見た目の精悍さに加えて非常に穏やかな気性の馬であること。

そして指揮する人間の指示を丁寧に聞いて動く優秀な馬であること。

老年まで役割を変えて働くことになるブラック・ビューティーですが、人間に対し真面目な姿勢は、各主人の目にしっかり止まって大切にしてもらっています。

確かに劣悪な環境にいた時もありましたが、基本的に大切に扱ってもらえている馬です。

馬車を引く姿勢が綺麗なため、飼い主が馬引きに対してファッションで首を固定させるよう指示する描写がありますが、思わず飼い主の意見に共感してしまいます。

それくらい毛並みが綺麗なビューティーですから、人間視点で、自分の馬車を引くかっこいい馬を見せびらかしたくなります。

馬の体には負担が掛かる姿勢であるため、馬引きはそれを拒否しますが、徐々に首を固定させる描写が馬達には可哀想だなと感じて不憫に思いました。


2020年から新しい環境下での生活が始まり、それを機にペットを飼い始めた人も多くいたと思います。

私もペットを飼ってみたい一人ではありますが、相手は言葉を喋らない、寿命が確実に人間より早く来ることを鑑みて、思いきれません。

人間の子供を世話することと同様にペットを飼うことは責任が伴います。

本作品は、ペットとしての馬は登場しませんが、責任を持って世話をする大切さや、人間本位の気持ちで馬へ接するとどういう締め付けが馬に行っているかの描写があり、命を扱うことの大変さを教えてくれています。

名前と役割を変えて各地を転々としたブラック・ビューティー。

老体になるまで元気でしたが、晩年をどのように過ごすことになったかは、ぜひ本作品を読んで確認していただきたいです。

そして、山あり谷ありの人生を送ることになったブラック・ビューティーの姿は、私達人間にも通じるところがあり、主人公は馬でしたが、私達も共感出来ること間違いなしです。


Comments


©2021 by 洋書Lovers普及委員会。Wix.com で作成されました。

bottom of page