Author: Jill Barklem
翻訳版の有無: あり。邦題「のばらの村のものがたり」
映像化: なし
英語レベル: Basicレベル(洋書に一日3分向き合える)
この本は、こんな人達にオススメします。
・自然や動物が好きな人
・英単語の中でも特に名詞を多く覚えたい人
・近年起きた生活様式の変化をきっかけに自分の心の寂しさに気が付いた人
動物をテーマに物語を書いたイギリス人作家、しかも女性。
このキーワードを出した時に、私を含め日本の方がまず口にするのは、おそらく「ピーターラビット」の作者ビアトリス・ポッターだと思います。
知名度でいえば、彼女が一番有名です。
ですが、他にも作家さんはいらっしゃるのです。
別途感想を書いた「Black Beauty」の作者アンナ・シュウェル(Anna Sewell)もイギリス人女性ですし、今回のbook reportで取り上げる作品の作者ジル・バークレムもイギリス人女性です。
「のばらの村のものがたり」は一話完結で全8巻から成る物語です。
のばら=brambleの生垣=hedgeに住むネズミ達が登場し、何気ない日常が描かれています。
レビューを読むと、書籍に描かれた絵の美しさに読者の目が惹かれる、という数々のポジティブコメントがあります。
物語そのものも、簡単な英単語を使っているのであっさり読むことができます。
残念ながらKindle版では初めの四冊分しか電子化されていないため、私は残りの四冊分の話は読めていませんが、前記したとおり一話完結なので、一冊だけ読んだとしても読者は十分満足出来る内容になっています。
初めの四冊は春夏秋冬のタイトルが付けられた作品で、それぞれの四季をテーマにした内容が楽しめます。
各巻の主人公は決められていますが、全巻を通じてメインキャラクターが登場します。
春は子ネズミのウィルフレッド(Wilfred)の誕生日を祝うピクニックが催され、夏はポピーとダスティー(Poppy & Dusty)がカップルとなって結婚する様子が描かれます。
秋はプリムローズ(Primrose)のプチ・冒険が描かれ、冬はネズミ達がダンスパーティーを楽しみます。
反対を言ってしまえば、全巻を通じた主人公がいない作品ですが、上記で挙げたウィルフレッドとプリムローズは人物像を掴みやすいです。
ウィルフレッドはいたずらっ子で親しみやすく、プリムローズはのんびり屋さんですがプチ・冒険を繰り広げることから実は向こう見ず。
全体的に楽しく読むことが出来たのですが、「ありふれた日常」は、当たり前ですが2020年以前の姿。
ちょっと寂しく感じたのはいうまでもなく。
そう、ピクニックやダンスパーティーは規制がかかる前の様式で、「私はいつ出来るかな?」とぼやっと思ってしまった。
その前に一緒にピクニックする仲間を作らねば。
イベントを自分から発案して呼び込むぞ。
脱線してしまいましたが、自然、動物、ピクニックやダンスパーティーといったトピックスであることから、初めて触れる名詞が出てきて話のボリュームに対して単語調べの時間が多かったです。
まずタイトルから調べました。
先述した通りのばら=brambleの生垣=hedgeです。
登場するキャラクターの名前も植物にちなんだ名前が出たため、調べてみれば花の名前だったりして新たな発見があります。
ウィルフレッドには特段の意味はありませんが、プリムローズは植物の名前でサクラソウを指します。
植物の名前はたくさん出てきて、別作品でも登場する単語も出てきましたが意外とうろ覚えだったことに気が付きました。
それがdandelionとdaffodil。
タンポポとスイセンを表す単語です。
植物の名前って作品だけでなく実在の人でもいます。
アメリカアニメの「パワーパフガールズ」のバターカップButtercupはキンポウゲという植物。
ハリウッド女優にリリーという名前の方がいらっしゃいますが、リリーlilyはユリを指します。
児童作品と思って侮るなかれ、ですね。
本Brambly Hedgeは食器などとコラボしていますので、書籍以外でも目に触れることが出来ますので、興味がある方は探してみてください。
ちなみに我が家にはBrambly Hedgeのティーセットがあります。
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