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Book Report: Casino Royale

  • 執筆者の写真: Masumi
    Masumi
  • 2023年1月15日
  • 読了時間: 3分

更新日:2024年12月17日


Author: Ian Fleming

翻訳版の有無: あり。「007 / カジノ・ロワイヤル」

映像化: あり「007 / カジノ・ロワイヤル」

英語レベル: Advancedレベル(一年に一冊洋書を読了できる)



この本は、こんな人達にオススメします。

・仕事熱心な人

・刺激が欲しい人

・シリーズ物が好きな人


一つの作品に対し、複数の人が体現するパターンがあります。

その代表例がアイアン・フレミングの「ジェームズ・ボンド」作品だと、私は考えます。

映像化された「ジェームズ・ボンド」作品は、ドラマを含めると7人の俳優さんによって体現されています。

この作品は、世代によってどの俳優が好きかというのが、当然分かれる作品です。

私が初めて「ジェームズ・ボンド」作品を鑑賞したのは、ダニエル・クレイグが六代目ジェームズ・ボンドを演じた作品からでした。

その最初の作品が、この「カジノ・ロワイヤル」です。

これまでのジェームズ・ボンド像から大きく異なることで、初めは様々な批判を受けたそうですが、蓋を開ければ史上最高のジェームズ・ボンドとまで言われるようになりました。

私も本当に彼がかっこいいと思います。


この作品は、スパイ作品なので、映像作品にしても原作にしても、各国の情勢や国家機関をある程度理解してから臨むとよいです。

(何も勉強せずに映画ドクター・ノーを観た時「無理!」と思っちゃいました。映像技術も今の作品ほど発達していない点もありますが、ジェームズ・ボンド作品自体に当時そこまで興味がなかったのと、私の勉強不足が大きいです。)

イギリスの国家機関に所属し、殺しのライセンスを持つジェームズ・ボンドは、財政難に陥り資金繰りを確保するためカジノで稼ぐことを決めたル・シッフル(Le Chiffre)を阻止する物語です。

映画を先に観ているため、本作を読んだ時に、いくつか映画用に加えられたエピソードがあったことに気づきましたが、それらがなくても十分に楽しめる、スピード感のある作品でした。

カジノのカードで賭け事に興じるボンドとル・シッフルとの緊張感と、諜報員の仲間であるマティス、ヴェスパーとの会話での緊張感の違いも、本を通して感じられます。

本作を読んで感じたのが、仕事中のボンドが随分とグルメであること。

普段はそこまで食事に気を遣わないような記載がありましたが、仕事中は食事に贅を好むようで、ヴェスパーとの食事が優雅でした。

女性と二人きりだからか 笑

あと、映画の印象が強いせいで、ボンド=女好きのイメージを持って読書に臨みましたが、仕事に女性は持ち込みたくないという感覚の人柄らしく、マティスから仕事のパートナーが女性であることを教わったボンドは、初めはあまり良い顔をしませんでした。

もちろん、女性の魅力をわかっているから、仕事との切り分けをはっきりしたいボンドのポリシーもわかります。

実際、ヴェスパーは物静かな佇まいながらも美しい女性だと、記載がありますし、仕事も有能でした。

ボンドが惹かれないはずがない。

そして、彼を象徴するマティーニの作り方が、この作品で出てきました。

思わずメモを取ってしまいましたよ、第七章です。

ボンドがこだわり抜いたカクテルへ、ヴェスパーと名付けるシーンもまた印象的でした。

物語は明るい結末にならないことも、ジェームズ・ボンド作品の印象を強める要因になっていますが、それはぜひ読んで体感していただきたいです。


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