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執筆者の写真Masumi

Book Report: Earwig and the Witch

Author: Diana Wynne Jones

翻訳版の有無: あり「アーヤと魔女」

映像化: あり。「アーヤと魔女」

英語レベル: Advanced寄りのBasic(一日3分英語と向き合えるレベル)


この本を読むと、「強かな人はどんな環境でも思い通りに生きられると改めて実感する」というベネフィットを得られます。


思い返すと私は他の洋書でも「いかなる環境でも生き抜く強さ」みたいなニュアンスで、作品を読むベネフィットを伝えていました。

何だか似たようなベネフィットだな、と感じるのは、様々な理由で自分を取り巻く環境が変化するし、それに対応する大切さをよくわかっているからだろうと思っているから、紹介文が似たものになってしまうのですね。

実際に私も、物心ついた以降でいうと七歳で生活する環境がアメリカから日本に変わり、環境の変化に対応する大切さを実感しました。

そのことに関して、人生を通じていろいろありましたが、一つずつ乗り越えたなというのが自身への感想です。


さて、環境の変化に大切なのは何だろうと思った時、やはり環境の変化を受け入れる力があるかどうかだと思います。

そしてその力は、持って生まれた強かさ、つまり生命力の強さなのではないでしょうか。

その強かさを象徴するのが本作の主人公。

うーん、原作と映画とで名前が違うのですが、ここでは原作を尊重します。

イアウィグ(Earwig)は児童養護施設に住む少女。

施設の子供達をまとめる持ち、自分のために人に動いてもらうことに長けているため、施設での生活は快適でした。

いい家族と巡り会って引き取られたい子供達と違い、イアウィグは居心地の良い施設にずっと残りたいと考えています。

そんなイアウィグの考えに反し、ある日男女カップルが施設を訪れてイアウィグを引き取りたいと申し出ます。

まさにイアウィグの生活環境が変わった瞬間です。

しかも、この二人はただの人間ではなく魔女と魔法使い。

普通はこことで驚いて施設に帰りたいと泣いて暮らすものですが、さすがはイアウィグ。

始めは雑用ばかりさせられますが、自分も何か魔法を教えてほしいと訴えます。


本作は、作者の遺作ということもあり、短いエピソードを一つ紹介しただけで物語が完結してしまうのですが、ファンタジー作品に長けるDiana Wynne Jonesのタッチが盛り込まれていました。

皆がちやほやしてくれる居心地のいい環境から、魔女と魔法使いから手下扱いを受ける環境へ移ったイアウィグは自分の意見を持ち、行動する力を発揮して、今自分が置かれる環境を居心地よくしていきます。

そのスパイスに、作者得意の魔女、魔法使い、魔法といったアイテムが使われています。

さて主人公の名前のearwigは、ハサミムシを指す単語ですが、入れ知恵をする、〇〇に取り入ろうとする、という意味も持つようです。

こういった意味合いを知ったうえで作品を読むと、主人公の立ち位置もよく理解できます。

イアウィグは、施設の子供達を動かすのが上手です。

大人達にも耳障りの言い言葉をかけて、自分が好きな食事を今日の献立にしてもらう、なんてこともやってのけます。

でも暴君のような子供ではないので、同じ施設の子供達はイアウィグのことが好きだし、大人達も世渡りのうまい子供くらいにしか思っていない。

いいマネジメントになりそうですね 笑



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