Book Report: Farmer Boy
- Masumi
- 5 時間前
- 読了時間: 3分
Author: Laura Ingalls Wilder
翻訳版の有無: あり。農場の少年
映像化: あり「大草原の小さな家」
英語レベル: AdvancedよりのBasic(一日三分英語に向き合えるレベル)
この本を読むと、「自分の生きたい道を見つめ始めるきっかけになる」というベネフィットを得られます。
小さい頃、自分が将来どんな人間になりたいのか、ということは実は私は考えたことがなかったです。
そういう機会がなかったわけではないですが、漠然と、私は両親のようになるのだろうなと考えていたから。
学生時代が終わったら企業に就職して、ある程度の年齢になったら結婚を考えるという、至極平凡な人生を送るのだと思っていました。
その想像が様々な理由から崩れ去り、小さい頃には想像もしなかった未来を生きたわけなのですが。
(そのことに全く後悔はありません。時間を巻き戻しても同じ選択をするでしょう。)
さて、本作Farmer Boyは、まさに主人公が自分の生きたい道を見つめ始めるきっかけになる話です。
本作の作者であるWilderは、前作では自身の幼少期に焦点を当てて作品を書き上げましたが、本作では夫アルマンゾ(Almanzo Wilder)の幼少期に焦点を当てました。
アルマンゾは四人兄弟の末っ子で、前作のWilderのように、農家業や家畜業を営む自身の生活が描かれます。
上の兄弟たちに必死に食らいつくアルマンゾは、学校での勉強が好きではなく、親について農業を手伝うのが好きな少年でした。
作品の前半では、アルマンゾは特に将来を考え悩むことなく、自身の生活を淡々と紹介する物語が展開します。
父の後をついて、牧場で飼う牛のスター(Star)とブライト(Bright)を世話するうちに、自身も早く牛の世話やしつけをしたいと考えだすアルマンゾ。
上の兄弟が学校に通い出し、次第に街の生活に考え方が染まる中、アルマンゾは物語後半で自身がどう生計を立てたいか考えさせられる場面に出くわします。
具体的に言うと、父のように、農業で生計を立てるか。
それとも、父の知り合いの元に見習いとして預けられて、商売人としてスキルを磨くか。
幼いアルマンゾがはっきりと決断するには時期が早いと周囲は思いますが、アルマンゾ自身が本当にやりたいことを家族に告げた時、そこには暗に彼の気持ちが見え隠れすると気づくことが出来ます。
それこそが、タイトルにあるFarmer Boyに繋がるのです。
現代に生きる私達は、何事にとらわれることなく自由に仕事を選ぶことが出来ますが、少なからず親の影響を受けて職業を選ぶかと思います。
自由業で成功している親を見れば、自分もそうなりたいと思いますし、企業に勤めて安定した収入を得る親を見ればそうなりたいと思うのは自然の流れ。
(それに失敗している親なら、そうなりたくないと思うのが子供です。)
幼い頃から自身の生業について考えさせられたアルマンゾの苦悩と、それ以上に生き生きとした農業、自然と密接した生活を描く物語に引き込まれること間違いなしです。

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