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執筆者の写真Masumi

Book Report: Frog and Toad Are Friends

更新日:2022年6月5日


Author: Arnold Lobel

翻訳版の有無: あり。「ふたりはともだち」(がまくんとかえるくん)

映像化: なし

英語レベル: Basicレベル(洋書に一日3分向き合える)

*続編に「ふたりはいっしょ」、「ふたりはいつも」、「ふたりはきょうも」がある。原作の名称は"Frog and Toad Together", "Frog and Toad All Year", "Days with Frog and Toad".



この本は、こんな人達にオススメします。

・家族同然に大切な同性の友人がいる人

・とりとめのないことにも幸せを感じられる人

・カエルが好きな人


知り合いから教えていただいたのですが、本作品は小学校の国語の教科書に教材として取り上げられているそうです。

身近に感じられるなんて、羨ましいですね。


蛙とまとめられる二匹のキャラクター、がまくんとかえるくんですが、両生類という同じなかまでありながらだいぶ違う生体の蛙であり、本作のキャラクターも異なります。

今回、ブックカフェに使用した作品「ふたりはともだち」の中のThe Storyが、がまくんとかえるくんとより二匹の違いを引き出すエピソードになっていると感じ、紹介しました。


四作品を通して感じたのは、がまくんは生真面目で、頭が固く、頑固、しかし手先が器用でかえるくんのためにクッキーを作ってあげる優しさを見せます。

生真面目なのは、ある作品でTo Doリストを作ってそれをもとに一日を過ごそうとする彼の行動から。

彼の心優しさは、クリスマスイブにかえるくんを招待して一緒に過ごすところから。

がまの生態は、乾燥地帯に住む毒のある蛙の一種であり、本作のがまくんの少し癖のある性格に反映されていると感じます。

一方のかえるくんは水辺の近くに住む種類が多く、毒性はほとんどないとのこと。

本作では楽観的で柔軟性があり、さらにあまり思い込みがない性格が描かれていて、さらっとした印象の蛙は彼が象徴しています。


さて、以前の投稿から反しますが、彼らの性格を話すため、The Storyのネタバレをします。

このエピソードの中のかえるくんは体調不良です。

床に臥せる彼のために温かいお茶(おそらくこの場合は紅茶)を用意したがまくんへ、かえるくんが何かお話を聞かせてとせがみます。

子供が親へ、何かお話ししてとせがむように。

上記で述べたように、生真面目で頭の固いがまくんは、困った様子で家の縁側を行ったり来たり。

逆立ちしても頭に水をかけても、壁に頭をぶつけても、何も思い浮かびません。

困ったがまくんは正直にかえるくんへ、お話が出来なかったと伝えます。

一方のかえるくんは、もう体調がよくなったから休む必要がないと言ってベッドから出てきました。

彼とポジションを変わって、神経を使ったがまくんが臥せる番。

かえるくんがお願いしたように、何かお話を聞かせてとせがむがまくんへ、かえるくんが聞かせたお話というのは・・・。


あるところに仲の良いがまくんとかえるくんがいました。

体調を崩したかえるくんのために、がまくんは話を考えて縁側をうろうろ。

逆立ちしても頭に水をかけても、壁に頭をぶつけても、何も思い浮かびません。

やがて、かえるくんが元気になります。

一方でがまくんが体調を崩したので、ベッドに入ったがまくんのためにかえるくんがお話を聞かせてあげましたとさ。

おしまい。


そう、今までがまくんとかえるくんに起きたことを、そのままかえるくんは話したのです。

なんじゃ、そりゃ!

考えが柔軟にもほどがある(いや、がまくんの頭が固過ぎる?)

別の話で気付いたのは、がまくんはかえるくんに自分を良く見せたい願望があるようで、本作でもいい話をかえるくんに聞かせてあげたいと思ったのでしょう。

ですが、一向に構想が思い浮かばない 笑

一方のかえるくんは、ちゃっかり今起きたことをお化粧せずそのまま物語にしました。

他のエピソードで、かえるくんからがまくんへ寓話をシェアするものがあり、想像力は豊かなのかというところがうかがえます。

いくつも性格に違うがある二匹ですが、お互いを尊重し合い、大事に扱う友情がよく描かれています。


さて、今回のブックカフェに先駆け、動物を使って「似て非なるもの」シリーズを投稿しました。

一つの日本語に対し複数の英単語が存在する動物を紹介しました。

今回スポットが当たった二匹の蛙は、他三作でも性格の違いを見せながら、取り止めない日常を過ごしていきます。

児童向けであるため一話ごとのボリュームも軽く、どの話もほっこりする気持ちになれる素敵なものばかりです。


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