Book Report: Gentlemen Prefer Blondes
- Masumi
- 2022年12月28日
- 読了時間: 4分
更新日:2024年12月17日
Author: Anita Loos
翻訳版の有無: なし
映像化: あり「紳士は金髪がお好き」
英語レベル: Advanceレベル寄りのBasic(洋書に一日3分向き合える)
この本は、こんな人達にオススメします。
・お金持ちが好きだ、とはっきり言える人
・自他ともに認めるモテる人
・自分のなりたい姿のヴィジョンを持っている人
ハリウッド俳優・女優は数々いますが、マリリン・モンローほど人が持つ偏見を体現した人はいないのではないでしょうか。
彼女が携わった作品のうち、私は「紳士は金髪がお好き」しかチェックしていませんが、彼女の美しさ、チャーミングさ、アメリカのセックスシンボルとなった由縁がわかる気がしました。
舌足らずな話し方、金髪でふくよかな外見、ちょっと頭が足りないように見えますが、ここぞという時に鋭い観察眼が光る。
「金髪女性」のイメージはマリリン・モンロー一択。
今回の作品「Gentlemen Prefer Blondes」は、人の偏見の上に立つマリリン・モンローというイメージを上手に発信した作品だと感じます。
今回も私は映画から入りました。
映画鑑賞後、調べたら原作の「Gentlemen Prefer Blondes」の存在を知り、それには続編「But Gentlemen Marry Brunettes」があることを知り、読書するきっかけとなっています。
「Gentlemen Prefer Blondes」は電子ブックで入手することが出来たのですが、続編「But Gentlemen Marry Brunettes」は紙文書でしか入手する術がなく、輸入するか迷っていたのですが、日本のAmazonで紙文書を比較的安価で入手することが出来ました。
そして両作品を紙文書で読破しました。
本作品「Gentlemen Prefer Blondes」は、主人公ローレライ・リー(Lorelei Lee)が日記形式で綴る、彼女とお金持ちの男性達との恋の駆け引きです。
彼女はお金持ちの男性が大好き。
年齢や職業はさておき、お金を持っていて自分にどれだけお金を使ってくれるかが彼女の高い優先順位にあります。
彼女に近付く男性達は皆年上で、中には既婚者もいて、彼女と結婚するために自身の結婚生活に終止符を打つからといって、ローレライ・リーを説得するシーンも出てきます。
六章からなるこの作品では、ローレライ・リーは、住まいのニューヨークから飛び出し、パリ、ロンドンなどヨーロッパを巡り、数々の男性に出会ってニューヨークに戻ってきます。
彼女が結婚に求める形とは、金銭的に安定した結婚生活を送ることですが、果たしてどんな男性と結ばれるのかというのが気になるところでした。
彼女をニューヨークのアパートに住まわせて教育する、シカゴのビジネスマンのガス・アイズマン氏か。
ロンドンで彼女にティアラを与えたお金持ちのサー・フランシス・ビークマン氏か。
など、彼女の遍歴が楽しく読めます。
ローレライ・リーは、アイズマン氏から教育を受ける立場のため、本作をよく読んでいくと、彼女が作中で書く日記からあまり知的な女性ではないということが読み取れます。
言い回しが回りくどいのです。
途中、何を言いたいのか読み取れない部分もありました。
スペルミスも気付きます。
ですが、ローレライ・リーの魅力は学がある点ではなく、「私はお金持ちの男性が好き。私は彼らからお金を使ってもらうに相応しい存在。結婚するならお金持ちと。安定した生活がしたい」という明確なヴィジョンを持っている点です。
自分がショーガールである点も卑屈に思うのではなく、堂々としているところが魅力です。
「私にはお金がないから、養ってもらうためにお金持ちの男性が必要なの。生活が不安」というように悲観するのではなく、自分の好きなことを認め、自分に相応しい男性を探します。
しかも、彼女は相手を心地よい気分にするための努力を惜しみません。
ローレライ・リーと一緒に時間を過ごしたい、果ては現在の結婚生活に終止符を打って、改めて彼女と結婚したいという男性も出てきますが、彼女といることが心地よいと思わせたからでしょう。
相手の男性にお金を使わせたら、それ相応の反応をするのがローレライ・リーの長所です。
旅行で豪遊し、数々の男性に言い寄られ、最後にローレライ・リーはどの男性の心を射止めるのか。
映画も良いですが、短い日記形式で書かれているので取っつき作品になっています。

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