Book Report: Good Wives
- Masumi
- 23 時間前
- 読了時間: 3分
Author: Louisa May Alcott
翻訳版の有無: あり「小さな婦人たち」
映像化: あり「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」
英語レベル: AdvancedよりのBasic(一日三分英語に向き合えるレベル)
この本を読むと、「自分が追い求める夢と、現実世界とでギャップがあっても、人はどちらでも幸せになれる。」というベネフィットを得られます。
いろんな選択肢があって、自分の人生に迷う時期があると思います。
それは、どの年代でもそう。
「若草物語」は、母に寄り添う四姉妹と遠い戦地で頑張る父親との絆を描いた作品でしたが、第二部の本作は、特に女性として様々な選択肢に悩む姿を描いた作品です。
冒頭、結婚が決まっている長女メグ(Margaret)、作中を通して幼馴染からの熱烈な愛情に戸惑う次女ジョー(Josephene)、あるがままを受け入れた生活をする三女ベス(Elizabeth)、そして誰かのスペアではなく自分とは何かを模索し続ける四女エイミー(Amy)の女性としての姿が描かれます。
いや、これ、文学作品ですがきゅんきゅんした。
本来、作者のアルコットは、特に次女ジョーの行く末はこの展開にするつもりはなかったと聞いていますが、それでも素晴らしい結末に落とし込めていると思っています。
ジョーに視点を当てると、彼女は早くから自分が作家になりたいとして活動を続けているわけですが、当時は未婚の女性が社会進出することにポジティブではありません。
結婚に憧れを示し、実際に結婚した過程で女性としても人間としても成熟していく長女メグと違い、ジョーはあくまで自分のやりたい作家への情熱を貫き通します。
それが世間的に難しくても自分の我を貫くため、周りとの軋轢も避けられず、強かで世渡り上手なエイミーとの対比も顕著に描かれました。
そしてジョーの理解者として登場するパートナーも、彼女を包み込んでくれる相手でした。
ジョーは、子供の頃から作家になることを夢見て成長しますが、結婚適齢期の二十代前後では、その夢が中々叶わず苦しみます。
この先、どのような未来が待っているのかは、残りの三部、四部を読んで初めてわかりますが、どこか身近に感じるようにこの時点でのジョーの人生は彼女がやりたいことはどれも夢物語で現実味のないものばかり。
そんな苦難の中にいるジョーですが、彼女なりに幸せを見つけていきます。
彼女を支えるのは、惜しみないサポートを示す三女ベスと、ジョーがいわゆる社会勉強のため住み込み先で出会った教授ベア先生(Professor Bhaer)です。
独立心のある若いジョーに対し、年の離れ、落ち着いた風情でなんでも受け止めてくれるベア先生は、これまでに出会ったことのない人物としてジョーの目に映るのです。
・・・これ書いているだけできゅんきゅんしてきた。

Commenti