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Book Report: Love, Rosie

  • 執筆者の写真: Masumi
    Masumi
  • 2023年2月18日
  • 読了時間: 4分

Author: Cecelia Ahern

翻訳版の有無: あり。「愛は虹の向こうに」

映像化: あり「あと1センチの恋」

英語レベル: Advanceレベル寄りのBasic(洋書に一日3分向き合える)



この本は、こんな人達にオススメします。

・素直になれずに悔やむ恋のエピソードがある人

・恋人とは親友同士の人

・あざとい女子にイラっとしやすい人


皆さん、自分の気持ちに素直になれますか?

優しい人、自分のことより相手を考えて動けちゃう人は、この作品を読むと自分事のようで心が痛むのではないでしょうか。

数年前に「あと1センチの恋」というタイトルで放映された映画の原作になっている「Love, Rosie」は、7歳で出会い幼馴染として育ったロージー(Rosie)とアレックス(Alex)の、50歳になるまでお互いの気持ちに素直になれずに過ごした物語です。

お互いの恋心より親友としての関係を優先したが故に、たくさんの回り道をして、ようやくお互いの気持ちに向き合う顛末。

もう、うわぁ!って悶えながら本作品を読み進めました。


さっと紹介したように、幼馴染として育ったロージーとアレックスは、性の違いがあれど同性の友人より気持ちを言えたり頼ったりすることが出来る、心強い相手でした。

が、恋心だけは認められなかった。

お互いに「ロージーはない」「アレックスはない」なんて言っている間に、多感なティーンエイジを過ごし、初めての異性経験を済ませ、予期せぬ家族計画を始めることになり、大学や仕事に育児など、年を重ねるごとに複雑化する人間関係に巻き込まれて、お互いを異性として見る気持ちに蓋をしていました。

ようやく素直になった時には50歳。

もう、ね、長!

50年近く自分の気持ちに蓋をして、どんな気持ちだったんだろうと、私の気持ちは急降下に急上昇を重ねていました。

ロージーもアレックスも結婚と育児を通じて、親として、誰かの伴侶として過ごす気持ちはよく理解しています。

そして何より、特にロージーは子供のために自分のやりたいことを諦め続けてきているので、彼女の人生の節目の際にアレックスはいつも「ロージーには幸せになってもらいたい」と叱咤激励します。

一度掛け違えたボタンはどんどん予期せぬ方向に運命を持っていき、ロージーとアレックスがお互いの気持ちを伝えあう時にはいつも邪魔が入ります。

失恋より親友を失う方が怖いと恐れる二人が自分の気持ちに素直になる時、彼らにとって最高の人生が始まるのです。


それにしても長い!

50年近く素直になれないって、ドMだなと。

ただ、恋愛小説として本作品を楽しむのではなく、私自身に置き換える教科書のような作品にもなっていい出会いが出来たなと思いました。

また、物語の形式が手紙やメール、チャットなどの書式形式で進むので、インターバルが長く、長文を読むことに慣れていない人もワンランク上の作品を挑戦するトレーニングが出来る作品です。

中には口語的に書かれた文章が出てきたりするので、堅苦しい文章以外のものも目に触れられます。

私はこのやり取りの中でも、ロージーと彼女の同僚のルビーとのやり取りが好きでした。

ロージーより10歳以上年上で、離婚歴のあるルビーは息子と彼女の恋人と住んでいます。

彼女の恋人はあまりルビーを大切にしてくれていないようだし、息子も何を考えているかわからない雰囲気で、ルビーは悩んでいるようでした。

そんなルビーが40歳を迎えた時にロージーが紹介したサルサ教室に出会い、ルビーも生き生きとし、恋人と息子との関係も変わっていきます。

ルビーとのやり取りはこれ以外にもロージーがアレックスとのやり取りに悩んだ時にも的確なコメントを出していて、何度か面白くて吹き出してしまいました。

そう、ロージーが自分の気持ちに素直にならないことに気づいていたのは、ほかの誰でもないルビーです。

(周りの家族も薄々は気づいているようですが、アレックスとは家族ぐるみの付き合いのため、気づきにくい)

彼女のアドバイスにもロージーは顔をそむける形となるので、また回り道をする結果になるのです。

いやぁ、確かに親友を失うのは怖いけれど、本当に好きな人と一緒になれない人生を送るって、苦痛だと思うのですよね。

もちろん、そこで出会った人達は自分の人生の宝になるわけだから、100%否定するつもりはありませんが、でも人生の回り道は覚悟していた方がよさそうですね。


さぁ、私も自分の気持ちに素直になっていないことがないか、見直してみようかな。


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