Author: P.L.Travers
翻訳版の有無: あり。「メアリー・ポピンズ」
映像化: あり「メアリー・ポピンズ」
英語レベル: AdvanceよりのBasic(洋書に一日3分向き合えるレベル)
この本を読むと、「家族以外の人間と過ごすことでいろいろな体験が出来る」というベネフィットを得られます。
ディズニー作品は基本的にミュージカル映画です。
キャラクターの感情の起伏を確認出来るし、どの作品も面白い。
最近はアニメ作品が実写化する流れが出来ているので、比較が出来るのがよいですね。
そのディズニー作品で育ってきた私が、子供時代に存在を知って全く興味を示せなかったのが、「メアリー・ポピンズ」です。
こう書くと語弊がありますが、結局、子供なので、実写化作品に興味がなかったのです。
それを考えると現代の子供達は、実写化作品も楽しめる、感性が豊かな人達がおおいなと思います。
さて、名前だけ知っていて内容をわかっていない本「メアリー・ポピンズ」ですが、映画と原作は随分内容やキャラクターが異なるようです。
原作のメアリー・ポピンズは、鼻持ちならない不思議なナニー。
自惚れが強くて、仕事の合間に鏡に映る自分の姿を見てうっとりするという姿には、親近感がわきますね(えっ?)
東風が吹くころに、チェリートリーレイン(Cherry Tree Lane)に現れたメアリー・ポピンズは、バンクス家(The Banks)に現れて、そのポジションに空きのある当家のナニーを務めることになります。
で、彼女は不思議な力があるので、彼女に世話される立場のバンクス家の四兄弟は不思議な体験をしていきます。
夜中の動物園に入り、人間と動物の扱いが逆の時間(人間が動物の代わりに檻に入る)を体験したり、友人のコリー夫人(Mrs Corry)とその大柄の娘達が夜に月に向かって梯子を掛けたり。
大きい子供達であるバンクス家の長女ジェーンと長男マイケルは、そんなメアリー・ポピンズと一緒に過ごす時間が長いから、不思議な体験をする機会を多いです。
下の兄弟である双子の赤ん坊ジョンとバーバラも、infantからtoddlerへ移り変わる時期にスポットライトを浴びるエピソードがあり、メアリー・ポピンズの友である鳥と会話するシーンが描かれています。
ナニーとは子供のお世話役で、お金のやり取り考えると雇い主の子供達とナニーですから、立場としては少し子供達が上になるかと思いますが、メアリー・ポピンズは完全に主導権を握っています。
しかも、子供達の世話をしてもらっている立場から、両親のバンクス氏とバンクス夫人も彼女には頭が上がらない様子です。
陰日向になって尽くすナニーからは程遠い、自分が関わる世界にどっぷりバンクス家の面々を浸らせるメアリー・ポピンズ。
ジェーンもマイケルも、鼻持ちならないぶっきらぼうなところのあるメアリー・ポピンズに不思議と懐いているのは、彼女がもたらす不思議体験が楽しみで仕方がないのかなと思いました。
自分の両親以外の大人から影響を受ける子供達。
それも、これまでに自分が体験したことがない冒険を持ってきてくれるから、ジェーンもマイケルもメアリー・ポピンズのことが好きなのですね。
メアリー・ポピンズも悪い人ではなさそうなので、子供達が懐くのも納得です。
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