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Book Report: Mary Poppins in the Park

  • 執筆者の写真: Masumi
    Masumi
  • 2023年8月8日
  • 読了時間: 3分

翻訳版の有無: あり。「公園のメアリー・ポピンズ」

映像化: なし

英語レベル: Advanceレベル(洋書を一年間に1冊読了出来る)


この本を読むと、「不思議な経験も日常化すると優しい気持ちで受け止められる」というベネフィットを得られます。


全シリーズあるメアリー・ポピンズ作品のうち、私は最初の四作品購入し、読了することが出来ました。

ディズニー映画でちらっと見かけたイメージが強く、優しくチャーミングで歌の上手なナニーがメアリー・ポピンズなのかと思っていましたが、本作を読み、鼻持ちならない自惚れの強い不思議な女性というのが彼女のイメージに変わっています。

そのメアリー・ポピンズと一番長く時間を過ごすバンクス家の長女ジェーンと長男マイケルは、彼女を取り巻く不思議な世界に巻き込まれ、そして魅了されます。

最初の三作品ではしっかりと、メアリー・ポピンズが突如現れる場面と突如去っていくシーンが描かれ、そしてその間に発生するエピソードが新鮮でした。

そう、それが新鮮で本作の特長でしたが、四作目になるとパターンが見えてくるのがシリーズの痛いところ。

今回の作品は前書きがあり、物語のエピソード発生が第二作と第三作の間で発生しているとのこと。

つまり、第四作は突如現れて突如去っていくメアリー・ポピンズの姿はありません。

(バンクス家住み込み時期のエピソードです。)


そして、当初はジェーンとマイケルは不思議体験をするたび興奮し、不思議体験の場に必ずメアリー・ポピンズが現れるたびに、彼女に詰め寄って秘密を探ろうとしたり場面を共有しようと質問攻めしたりし、そのたびにメアリー・ポピンズから軽くあしらわれるのですが、四作目ともなると、彼らも体験に慣れてくるというか。

不思議な体験自体は新鮮なので、彼らの反応はいつもフレッシュですが、メアリー・ポピンズには何を質問しても答えてもらえたことがない経験から、二人とも不思議体験自体は楽しみ、そしてその中心人物となるメアリー・ポピンズを優しく見守るようになりました。

子供達が不思議体験をした後、そのエピソードを口にし、そこにバンクス夫妻やバンクス家に勤める人の耳に入るのを確認するや否や、メアリー・ポピンズは子供の空想と軽くあしらう様子を見せます。

自分の秘密を守ろうと必死の彼女ですが、四作目ともなると、ジェーンもマイケルも冷静です。

無理してメアリー・ポピンズと異世界の住人達との関係を嗅ぎまわらなくなりました。

(いや、そういう描写はありますが、彼女の繋がりにより寛容になりました。)


新鮮味がなくなる、聞いたことに相手が答えてくれない、などが重なると、不思議体験も新鮮味が薄れます。

ジェーンもマイケルも、どこかのタイミングで不思議体験を出来なくなる日が来るかもしれません。

それは年齢だったり、不思議体験に関する質問をしてもメアリー・ポピンズから答えてもらえず興味が薄れたり、ある意味大人になると体験出来なくなるのかもしれません。

時折見せる、不思議体験に対するメアリー・ポピンズの優しい反応は、本当はどこかで子供達と共有したいと思っているかもしれませんし、寛容になりつつある子供達の度量に感激しているのかもしれません。


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