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執筆者の写真Masumi

Book Report: Mary Poppins Opens the Door

Author: P.L.Travers

翻訳版の有無: あり。「とびらをあけるメアリー・ポピンズ」

映像化: なし

英語レベル: Advanceレベル(洋書を一年間に1冊読了出来る)


この本を読むと、「自分が必要だと思うものは、自分が必要な時にやってくると気づける」というベネフィットを得られます。


本シリーズも三作目。

バンクス家に必要なタイミングで現れ、機が変わると去っていくメアリー・ポピンズのお話は、バンクス家の子供達が体験する不思議エピソードが満載。

ですが、シリーズものの欠点で、パターン化すると次第に飽き始めるのが玉に瑕。

えぇ、例に漏れず私も三作目になると飽きてきました 笑

八作品あるので、毎度彼女は突然現れて、突然去っていくのかなぁなんて予想しています。

鼻持ちならない、お高いメアリー・ポピンズも、バンクス家の面々には愛される存在。

仕事で不在がちなぶっきら棒なジョージ・バンクス氏、なよなよしく主体性のないバンクス夫人、元気いっぱいの五人の子供達といった面々なので、メアリー・ポピンズは求心力があります。

しかも彼女といると、子供達は不思議体験が出来るから何だかんだで楽しい。

彼女のぴりっとした態度がバンクス家に必要なのかも。


さて、彼女はバンクス家にとっての存在を上記に書きましたが、この一家をしっかり生活のレールの上に乗せることが彼女の仕事。

家のことを回るようにする。

これはファンタオジーではなく、現実世界でも必要とされるスキルです。

確かにこのバンクス家では難しいかもしれません。

普通に考えて、年の近い子供達が五人いて、下二人は双子でまだ幼く、その上五番目の子供が生まれたばかり。

メアリー・ポピンズ以外にもバンクス家に仕える人達がいますが、ナニーさんは彼女だけだし、しかも彼女の前のナニーさんは子供達が気に食わなくて追い出したという描写があることから、親であるバンクス夫妻も子育てに手を焼いているのかも。

(というか、時代背景を考慮してバンクス氏は仕方ないけど、バンクス夫人が子育てした描写を思い出せない。)

バンクス家の統率が取れなくなった時に、彼女は三度登場するわけですが、やがてその必要性が薄れていけば自然とバンクス家から去っていくのも読み取れます。

メアリー・ポピンズの存在や、なぜ彼女が不思議な存在なのかという理由は始終触れることはなく進みますが、これまでの二作を含め、動物の言葉を理解し、彼女の周りにいる不思議な世界の住人達と交流が出来る彼女は、異質であることは当然。

現実世界とファンタジーの世界を行き来する彼女は、どこにも属さず、三作目にもなると彼女の孤独も感じてきます。

誰かに必要とされたい、でもどこにも属することが出来ない、だから必要とされる時にだけそこにいる、という私達が日常感じる人との縁を表していると、特に本作では感じさせます。


さて、彼女がバンクス家に留まる際のセリフが興味深い。

風が変わるまで。

チェーンが壊れるまで。

あの扉が開くまで。

実際、その言葉通り、これらが起きるまでメアリー・ポピンズはバンクス家の元に留まりますが、まさに次の面白い物語が始まりそうな台詞。

それから、彼女の態度や動作を表す英単語が多種多様あって、思わずメモを取りました。

primly crossly neatly swiftly curtly breaathlessly grimly haughtily tartly contemptuously priggishly presently smugly

全部副詞ですね。

自惚れやでちょっと厳しい彼女ですが、彼女の態度に性格が表れています。


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