Author: Tove Jansson
翻訳版の有無: あり「ムーミン谷の冬」
映像化: なし
英語レベル: Advanced(一年に一冊洋書を読破出来るレベル)
この本を読むと、「一人の時間を楽しむ努力が出来るようになる」というベネフィットを得られます。
ムーミン達は冬眠をする種族なのですが、その時間にムーミンだけが寝付くことが出来ず、起きている間に経験した出来事を綴ったのが本作です。
(ムーミンって冬眠するんですね!)
子供時代だけでなく、大人になってもありますよね。
予定通りに物事が進まなくて、周りの人達はちゃんと予定に沿って動いているのに、自分だけが取り残されてしまうということ。
ムーミンは、冬眠という種族の習性に反し、眠れないという事態に陥ります。
そして、諦めて起きていた結果、新しい出会いや冬特有のイベントを経験するなど、思わぬ時間を過ごすことになりました。
この場面で出てきたのが、トゥーティッキー(Too-tickey)という女の子と、リトルミー(Little My)で、彼らも冬の間自由に過ごします。
トゥーティッキーは冬の間に雪で馬の像を作ったり、海小屋で過ごしていたりと、冬を何気なく過ごしています。
リトルミーは相変わらず元気いっぱいはしゃぎまわります。
本作でもヘムレンというキャラクターが登場し、彼は冬の間集まった人々に何かと口やかましく小言を言っては煙たがられるのですが、本人は全く気が付かず。
それぞれが思い思いの冬の時間を過ごしますが、初めムーミンは中々眠れない事実を受け入れられず、そして冬を過ごすという新しい体験にも躊躇しているようでした。
確かに、滅多に冬眠の習性から外れることがなければ、眠れないという新しい体験は怖いかもしれませんね。
やがてムーミンも観念して冬の時間を受け入れて、ヘムレンからスキーの手ほどきを受ける場面も出てきます。
これまでにない習慣を行うことは、確かに違和感があるし、眠れた時分やその後の春の時期を待ち遠しく思うものですが、新しい機会をチャンスと捉えられたらその時間も楽しく過ごせそうですね。
特に、今でこそそこまで取り沙汰されることはなくなりましたが、一人の時間、いわゆるボッチ時間を楽しめると、何でも楽しく過ごせるし、自分と向き合える学びの時間になるのではないでしょうか。
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