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執筆者の写真Masumi

Book Report: Mrs Frisby and The Rats of Nimh


Author: Robert O'Brien

翻訳版の有無: あり。「フリスビーおばさんとニムの家ねずみ」

映像化: あり「ニムの秘密」「ニムの秘密2」

英語レベル: Advancedレベル(一年に一冊洋書を読了できる)



この本は、こんな人達にオススメします。

・家族との時間を大切にしている人

・パートナーを信じると決めた人

・困難があってもやり遂げる覚悟がある人


皆さんの、子供の時に観た映画でずっと心に残っているアニメ作品は、なんですか?

メジャーな作品だと、やっぱりディズニー作品やジブリ作品でしょうか。

私にもいくつかありますが、そのうちの一つで、タイトルや全容を把握できていないけど、断片的に脳裏に残っていて大人になっても気になる作品が、本日紹介する作品です。

Mrs Frisby and The Rats of Nimh、日本語ではフリスビーおばさんとニムの家ねずみという作品の、映像作品になります。

これは、元々ディズニーに勤務していた社員が独立後に発表した作品。

なので、子供の頃はディズニー映画なのだと思い込んでいて、大人になってから探してもみつからない。

Amazonなど大手ネットショッピングサイトでは見かけますが、フォーマットがVHSで、我が家にハードがないため、映像作品を観ることを諦めていました。

そんな私のマインドは、すっかり子供時代の自分に戻っていましたが、ふと洋書を探したところ、原作を発見することができたのです!

こういう時、洋書を読める強みを十分に実感します。


さて、原作を読んでみると、SFともファンタジーとも取れる雰囲気に包まれます。

農村地の生活と科学基地という対比が取っつきやすいし、いわゆる魔法使いが出てくる典型的なファンタジーではありませんが、わくわくして読み進められました。


主人公のフリスビー夫人(Mrs Frisby)は、フィッツギボン家(The Fitzgibbons)の庭に住むねずみで、夫ジョナサン亡きあと四匹の子供達を育てています。

フィッツギボン家は農家で、四季を通じて農作業がありますが、いよいよ春に向けて耕す時期がやってきました。

昨年の頃合いを参考に、今年はいつ頃トラクターを出すのかと思い悩むフリスビー夫人。

彼らに家を壊される前に引っ越しをしなければならないのですが、タイミング悪く末っ子ティモシー(Timothy)が風邪をこじらせて肺炎を患ってしまいました。

農作業の状況をみると、どうもティモシーの回復を前にトラクターでの土を耕す作業が始まってしまいそう。

加えてティモシーはあまり体が強くない。

完治しないまま、寒い時期に移動をすると、彼の健康が更に害することになります。

思い悩んだフリスビー夫人は、偶然助けた若いカラスのジェレミー(Jeremy)に身の上話をし、彼の紹介で賢いフクロウ(Great Owl)に会い、フィッツギボン家の薔薇の茂みに住むラット達に知恵を借りるよう、アドバイスを受けます。

そこのラット達は、どの動物とも交わらない閉鎖的なやつらだと、フリスビー夫人の知り合いは口を揃えて言います。

そして、フリスビー夫人は思ってもみない発見をします。

ジェレミーやフクロウとの出会いは偶然でしたが、自分も知らない夫の過去にたどり着くのです。

皆、ジョナサンの名前を出すと、態度を一変させ、うやうやしく振る舞います。

フリスビー夫人が薔薇の茂みを訪れると、その先は、ラット達が構える科学研究所でした。

彼らを引っ張りリーダー達は、元々人間達に捕らえられて人間の研究に使われたラットであり、彼らの知見を仲間達に授けていたのです。

彼らの目的とは、フリスビー夫人の亡き夫ジョナサンの過去とは、そして、一番の目的である、畑を耕し始めるその日までにフリスビー家は引っ越しできるのか。

これらの結末を確認するまで、物語から目が離せませんでした。


私は映画から入ったとはいえ、内容を全く覚えておらず、女のネズミには子供達がいて困難と戦っている、というイメージを持っていましたが、原作での大筋は変わっていません。

フリスビー夫人は、自分でも思ってもみない壮大なものと、戦うことになるのです。

そう、彼女の目的は、無事に引っ越しすること。

まさか科学研究所で研究するラットに出会うとは、全く想像していなかったはずです。

彼女の平凡な生活は、フィッツギボン家の農作業だけではなく、ラット達との出会いによって短時間の冒険奇譚に早変わりするのです。

その冒険奇譚は、家族の身を守るために、しばらくフリスビー夫人は口にしませんでした。

今を生きる子供達の安息を第一に考えた結果です。

そして、フリスビー夫人は夫の過去を知り、かなり動揺します。

(私はその過去を、悪いものとは思いませんでした。ジョナサンが隠し通したまま亡くなってしまったのは、シンプルに不運でした。)

夫の過去を受け入れ、今立ち向かうべき課題に一生懸命取り組んだフリスビー夫人の姿は、とても勇気のある女性と映りました。


本作品も、農業に関する単語がたくさん出てきて覚えられることがてんこ盛り。

キーとなる動物達の名詞から覚えるのは良いかと。

フリスビー夫人およびフリスビー家はハツカネズミのmouse。

カラスのジェレミーはcrow。

知恵を借りに尋ねたフクロウはowl。

フリスビー夫人が引っ越しの知恵と協力をお願いしに尋ねたネズミ達は、rat。

脇役ですが、フリスビー家の近所に住むトガリネズミは、shrew。

最後のshrewは、トガリネズミの名前に反してむしろモグラっぽいと書くウェブも出てきました。

あと、shrewは口やかましいガミガミ女という意味を持つ単語で、シェイクスピアの「じゃじゃ馬ならし」のタイトルはTaming of the Shrewが有名です。

ちなみに、dを付けると意味が変わります。

"Shrewd"は抜け目ない、という意味になります。



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