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Book Report: One Way Ticket

8月1日
読了時間: 4分

Author: Tricia O'Malley

翻訳版の有無: なし

映像化: なし

英語レベル: Advanced(一年間で一冊洋書を読了できるレベル)


「行き当たりばったりでも、何とでもなる。」


正直、この作品は物語の中身よりタイトルで読もうと決めました。

当時、所属していたズンバサークルで、先生がダンスに使った音楽の一つにEruptionのOne Way Ticketがあり、好きになりました。

好奇心で同じタイトルを使った書籍はないかなと探したところ、この作品に出会い、読んでみました。

物語もまさにone way ticket=片道切符もの。


主人公のペイジ(Paige)はヨガのインストラクター。

イベントの企画や、それに関するマネージが得意な女性ですが、お付き合いする男性との関係はうまくマネージ出来ていない。

恋人のホラシオ(Horatio)は同僚のヨガインストラクターで、チームメイトの中ではリーダーのような存在。

大勢いる女性の中にいる少数派の男性だからというところもあり、実はホラシオは周囲からもてもて。

そんなホラシオの恋人の座を射止めたのかと思ったら、実はペイジはホラシオから都合のいいように使われていたのです。

その事実は物語の早い段階でわかります。

彼の浮気現場に出くわしてしまうんですね。

怒ったペイジは、ホラシオのことも、大事な仕事も手放すことに。

腹を立てた流れで、ヨガ教室で計画していたリトリートもキャンセルしてやろうと、予約していたカリブ海のリゾート施設に電話をかけたところ、事情が変わり、その施設のコーディネーターとして働くことを決めます。

とはいえ、厳密には本採用されていないため、ペイジは片道切符を手に単身、カリブ海へ。

施設へ向かう道中、どうも運営に問題がありそうな気配も感じながらも、後戻りできないペイジは施設の職員として仲間入りすることに。

ペイジはホラシオのヨガ教室で企画するリトリートをキャンセルしていませんから、これにより、彼女はホラシオのヨガ教室のインストラクターや生徒達を、施設のコーディネーターの立場で迎えることになります。

それはある種、ペイジの復讐でもありました。


面白い展開ではありますが、新たな職場の人間関係も癖がありそうで、ペイジも最初は戸惑います。

陽気でウェルカミングであるものの、金銭感覚がどんぶり勘定で危うい施設の管理人シシィとウィッテイカー夫婦(Cece and Whitaker Aldridge)、エキゾチックで真面目なバーテンダーのマリポサ(Mariposa)、寡黙な庭師ルイ(Luis)とムードメーカーの料理人マーティン(Martin)、そして彼らを取りまとめる気難しいジャック(Jack)に迎え入れられたペイジは、一応認められて、仲間入りします。

一応と言うのは、電話でペイジと話をしたのはシシィなのですが、ペイジを迎え入れることを許したのは思いつきだったみたいで、真剣なオファーではなかったみたい。

こういう突拍子のないシシィの言動がトラブルを引き起こす原因になるのですが、そのことで悩まされてきたジャックは、シシィに加えてペイジのことも厭わしそう。

どうもシシィと因縁がありそうなジャックは、当初ペイジも面倒に感じていましたが、次第に彼のこつこつ努力する姿勢や、施設をまとめ役の才能に気づいていきます。


本作で浮き彫りになるのは、ペイジの真面目さとそれの対極にいる人達との関係性です。

ペイジが当初付き合っていたホラシオは、明らかに自分のやりたいことをやる人で、ペイジはそれを支える形で活躍していました。

ヨガ講師を辞めた後も、リゾート施設でコーディネーターの仕事に就くあたり、彼女は自分がクリエイティブなことをして発信するよりも、誰かのスケジュールやイベントなど何かを整えること、調整することが得意なのではと感じさせられます。

彼女によく似た人物として登場するのがジャックで、彼も同じ仕事をしていますし、特にキャラの強い施設の管理人であるシシィにはよく反発していました。

シシィは自由人として描かれていて、何かを整えることが得意なペイジやジャックから見ると、少し苦手と感じてしまう人。

だって、その人の行動によって調和を乱してしまうから。

自分が「やりたい」「楽しそう」と感じたことを素直に体現することが得意な持ち主で、だからこそ、リゾート施設を利用した人達を歓迎する役割を担い、その役割を発揮した時、ゲストたちからとても喜ばれるのです。

ペイジもシシィのことが少し苦手としつつも、どうも彼女を憎めないところに気づかされます。

反発し合いながらも相手を大切に思う人間関係に魅力がある本作は、ペイジがコーディネーターとしてどのようにホラシオへ復讐するのか、新たな環境でどのように活躍するのかも併せて楽しめます。

そして、何より、片道切符で進んでいったペイジは、とりあえず何とかなりました。

普段、何かを整えることが得意なペイジとしては、随分衝動的な行動だったのではと思いますが、新しい仕事も得られたし、立ち止まらず進んでいる姿から、人生何とでもなることを教えてくれています。



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