Author: Astrid Lindgren
翻訳版の有無: あり。「ピッピ船にのる」
映像化: あり「ピッピ船にのる」
英語レベル: Advanceレベル寄りのBasic(洋書に一日3分向き合える)
この本は、こんな人達にオススメします。
・口達者な人
・一緒にいると楽しい友人人
・人の思いやりに気づける人
前回紹介した長くつ下のピッピには続編があり、その一つが今作品です。
天衣無縫な少女、ピッピは今回も活躍します。
9つからなる物語は、各々独立していますが一つの転換を迎えます。
転換を迎える前は、ピッピと彼女のお隣さんのトミーとアニカとの和やかな日々が描かれます。
現在も行方不明の父親から託された金貨を元手に、絶賛ひとり暮らしのピッピですが、トミーとアニカ兄妹と一緒に市場に行ったと思えば、そこでお菓子を買いまくり、周りの子供達にもたくさん振舞います。
久しぶりに学校へ行って遠足を楽しみます。
(時に先生は、すっかりピッピに慣れたのか、「普通の子」のような教育をピッピに無理強いしませんでした。)
このままの日常が続くのかと思えば、ある日ピッピの元に行方不明の父親エフラム船長が返ってくるのです。
今まで消息不明だった父親が現れたので、私はちょっとほっとしたのですが、ピッピはエフラム船長からスウェーデンを出ようと提案を受けます。
エフラム船長は今、南の島の王として治めていて、娘であるピッピを王女として迎えたいというのです。
日常に別れを告げる予感を実感したトミーとアニカ、それに反し新天地で王女として迎え入れられることに浮足立つピッピ。
この作品で一番盛り上がったのは、ピッピがエフラム船長と南の島へ移住するか否かという点でしょう。
親と子供が一緒に生活することはもちろん大切なことですが、ピッピがスウェーデンから離れてしまうことに耐えられない友人達がたくさんいます。
それにピッピにとって、スウェーデンで地に足をつけることは結構大切なこと。
今時点でのピッピは、学校に通っていないため無知。
(というか、性格上、学校に通えない。)
ですが、トミーとアニカという「おりこうさん」の友達がいることは、ピッピにとってとても意味のあることなのです。
それが先述の「地に足をつけること」に繋がるのです。
この作品では、一見自由で何事にも囚われない人物として描かれるピッピが、友情か家族との縁かで立場が揺れる情景が描かれます。
もちろん彼女の決断をエフラム船長は尊重しますが、自分勝手に振舞っているようで実は周りのことを思いやって考えているピッピの姿に感動しました。
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