Book Report: Pride and Prejudice
- Masumi
- 7月20日
- 読了時間: 5分
更新日:7月31日
Author: Jane Austen
翻訳版の有無: あり。高慢と偏見
映像化: あり「プライドと偏見」
英語レベル: Advanced(一年間で一冊洋書を読了できるレベル)
この作品を読むと、「恋愛の始まりはどうせなら幸せなものがいいと思わせてくれる」というベネフィットが得られます。
第一印象が最悪だった人なのに、いつの間にかその人が自分の大切な人に変わっていた経験はありませんか?
私の親戚にも一人、こういう恋の始まり方で人生のパートナーになった人がいるのですが。
いつの時代にも、様々な形のボーイミーツガールはあるもの。
ジェーン・オースティン作品の中で、おそらく最も有名な「高慢と偏見」ですが、私が購入して読んだ作品としては「エマ」「分別と多感」に続いて三つ目。
後続だった理由は知っています。
初めてその存在を知った時、自分の英語レベルが現在のレベルと比べてかなり不十分で、子供向けに編集された書籍で挑戦しても読み切れなかった失敗があったことと、映像作品でキーラ・ナイトレイ氏の演じ方の上手さに引きずられて書籍作品に手が出せなかったこと。
私個人として、キーラ・ナイトレイ氏は素晴らしい女優だと思っているのですが、「プライドと偏見」を鑑賞する前に観た「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッド・マンズ・チェスト」(策士っぽい惑わせるエリザベス・スワン)、及び「わたしを離さないで」(主人公キャシーの恋を苦しめる幼馴染ルース)の印象が強く影響し、「プライドと偏見」で主人公エリザベスを演じた映画も、小説も手を出せないという始末。
そんなことがありつつ、オースティン作品は有名なので、是非挑戦したいと思い、先に他の有名作品の「エマ」「分別と多感」を挑戦してから「高慢と偏見」に挑戦した次第です。
結果、うん、面白かった!
冒頭で書いたことに尽きるのですが、ベネット家の五人姉妹の次女エリザベス(Elizabeth Bennet)が、ダーシー氏(Mr. Darcy)が自身に対してあまりよろしくない印象を持っていて、それを口にするところを偶然聞いてしまったところから始まったラブストーリーが本作。
確かに、誰かから陰口をたたかれるならポジティブに言われたい(陰口の時点で、あまりよい言葉ではないのでしょうけど)。
それが妙齢の、これから結婚相手を探そうとしている人物ならなおの事。
それにダーシー氏は、エリザベスの姉ジェーンが恋い慕う相手ビングリー氏(Mr. Bingley)の親友で、仮に姉の恋が成就すれば繋がる相手でもある。
ジェーンと仲の良いエリザベスには、あまり面白くないことになります。
あまり詳しく調べていないので、上手にコメントできないかもしれませんが、私が読んだ「エマ」「分別と多感」「高慢と偏見」だけで比べると、主人公は兄弟の二番目以下の子供がなる印象です。
エマは二人姉妹の次女、エリノアは二人姉妹の長女、エリザベスは五人姉妹の次女です。
だいたい長女は「ぽやぁぁ」とおっとりしている印象の人物が多く、二番目以下の子たちは感覚が研ぎ澄まされている感じがしますが、その反面、自分の意思を押し通そうとする感じがあります。
特にエマは最強のおせっかいおばさん(大した恋愛経験もないのに)を演じる役どころでした。
本作のエリザベスは、それぞれ特徴のある姉妹の中の次女としての立ち位置を全うします。
長女のおっとりした誰からも愛されるジェーン、一番不美人と思っている節があるため勉強に勤しむ捻くれた三女メアリー、肩肘張りたい四女キャサリン、強かで姉達を出し抜きたい五女リディア。
事なかれ主義の父と、妙齢の子供達をとにかく嫁がせたい母の下で生活するとはいえ、エリザベスは感性がシャープだったと思います。
年が若くなるにつれ、両親の手に負えなくなっていく子供達に対し、正直、年長のジェーンとエリザベスも何か出来るわけではありませんが、彼女達に対して何か施すではなく、自分達の身の振り方を進めていくというのが本作の落としどころ。
幸い、ジェーンは資産家のビングリー氏(Mr. Bingley)と想いを通わせることになりますが、友達としてはokでも義理の姉妹になることには躊躇するビングリー氏の妹キャロライン(Caroline Bingley)からは手ごわい仕打ちを受けます。
「あの子はいいこなんだけど、義理の姉妹になるのはちょっとね」というのがキャロラインの心持ですし、何より彼女はダーシー氏を想っていることから、恋敵エリザベスの姉ジェーンが義理の姉妹になることに対して快く思っていません。
ジェーン自身はいい人で、皆から好かれるのですが、立場上疎まれるポジションにいます。
一方のエリザベスですが、彼女の恋は、自分でも気づかないうちに育っていったものでした。
あとになってわかったことですが、自身の母と妹達の振舞によってダーシー氏に誤解され、エリザベスを悪く言われていたというのが真相でした。
それ以外にも、ダーシー氏が因縁のあったウィッカム氏(Mr. Wickham)がリディアと関わり合いになったことに対し、難しい状況を収めてくれたのがダーシー氏でした。
ダーシー氏とウィッカム氏は、過去に因縁のある二人で、もう一度関わり合いになることについて譲歩したのがダーシー氏でした。
様々な状況から再びエリザベスの信頼を得ていくダーシー氏でしたが、最初から彼女の彼に対する信頼があればどうなっていたのか、気になるのも正直な気持ちです。
また、誰がどこで見ているかわからないので、悪口は人の耳に入らないところで言っていただきたいです。
陰口なので、陰で言えてないなら仕事が不十分というものです。

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