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Book Report: The Friendship List

  • 執筆者の写真: Masumi
    Masumi
  • 12月4日
  • 読了時間: 3分

Author: Beth Miller

翻訳版の有無: なし

映像化: なし

英語レベル: Advanced(一年間で一冊洋書を読了できるレベル)


「友達とは、どんな存在なのかと考えさせられる」



私には二十年近く付き合いのある友人がいますが、悲しいかな、パートナーが出来ると途端に友人関係よりパートナーシップが優先されます。

別に責めているわけではありませんが、なんだろうな、と考えたことがありました。

付き合いの年数に関わらず、パートナーが出来た途端に友情よりパートナーシップが優先されることは多々ありますが、本作も、心許せる友人との突然の不和を描いています。


キャスリーン(Kathleen)は今まさに、二度目の結婚式を挙げる最中にいました。

自分の子供達のエドワードとステラ(Edward and Stella)、離婚後もリスペクトある関係を保つ元夫リチャードと彼の母アリス(Richard and Alice)、友人達に囲まれ、マーレイ(Murray)と再婚するキャスリーンですが、そこには親友のローズ(Rose)の姿がありませんでした。

挙式会場への移動途中に事故に巻き込まれたのでは、とローズを心配するキャスリーンでしたが、結局ローズからの反応があったのは結婚式が終わった夜のこと。

しかも、もう連絡してこないでほしいという、絶縁を匂わすメッセージでした。

訳のわからないキャスリーンは後日、ローズの自宅へ訪れて訳を聞こうとしますが、ローズのパートナーであるグラハム(Graham)から帰るよう、突き放されてしまいます。

結局、ローズに会ってもらえず、帰ることにしたキャスリーンですが、これまで自分が友人や夫だった頃のリチャードへの態度を振り返り、彼らが自分の傍にいることが当たり前のように振舞っていたと、自身の振舞を振り返るようになります。

こうして見えてきたのは、初めての子であるエドワードを妊娠した時に、当時通っていた大学から逃げるように中途で去ったこと、当時同じ志を持っていた友人のヘレナ(Helena)に妊娠を伝えず去ったこと、仲の良かった従姉ステーシー(Stacey)と疎遠になったこと、など自分の都合で強制的に終わらせた人間関係でした。

更に、キャスリーンは夫マーレイとの関係にも向き合うことになります。

マーレイは、キャスリーンとローズの共通の友人であるウルスラことベア(Ursula aka Bear)の最初の夫でした。

二人の離婚後、さらにベアが病死した後に会った際、マーレイと恋に落ちたキャスリーンですが、彼との再婚は勢いで決めたところがあり、その勢いを心配していた一人がローズでした。

知人同士の人間関係故にキャスリーンを取り巻く環境は決して大きくはありませんが、マーレイとの再婚がローズとの不和に繋がっていることに、キャスリーンはやがて気づくのです。


長い時間をかけて友情を深めても、ちょっと恋をすると優先順位が逆転してしまうというのはどこにでもある話ですし、家庭を持つこと、パートナーシップを深めることはどんな人間関係よりも優先されるべきことだと思います。

心が痛むこともありますが、私も友人を含めて自分の親しい人にはパートナーとの関係を深めてほしいと思います。

ただ、私の事は蔑ろにしてほしくないな、といのが本音です。

パートナーシップを優先することと、友人関係を含めてそれ以外の人間関係を雑に扱うことは全く別物。

どんな関係もリスペクトを持っていてほしいし、私も相手にはリスペクトを持って接する必要があるなと考えています。

本作では、キャスリーンのように、ある日突然に、様々な理由があって友人から絶縁されてしまった人の話を描いていますが、そうせざるを得なかったローズの境遇を知ると、なんとなく納得させられます。

どちらの女性も悪い人ではない。

けれど、ローズには、キャスリーンから離れなくてはならない真っ当な理由がありました。

パートナーが出来るといろいろと状況がひっくり返りますが、注意したいものです。


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