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執筆者の写真Masumi

Book Report: Red, White & Royal Blue: A Novel

Author: Casey McQuiston

翻訳版の有無: あり「赤と白とロイヤルブルー」

映像化: あり。「赤と白とロイヤルブルー」

英語レベル: Advanced寄りのBasic(一日3分英語と向き合えるレベル)


この本を読むと、「憎しみは愛に変えることが出来ると確信できる」というベネフィットを得られます。


私達の人間関係は、他者から影響を受けることが多いです。

それを象徴するのが本作品。

本作は、女性初のアメリカ大統領を母に持つ男性と、次期イギリス国王を兄に持つ男性が繰り広げるラブコメ作品です。

いわゆるLGBTQ+を意識した作品であり、その話題にこだわらなくても、自分がどう生きたいのか意識させられる作品です。

LGBTQ+に関係するキャラクターが登場するからという理由だけで話題作になるわけではなく、これはどんな立場の人でも共感出来る物語になっています。

なぜなら、本作の主人公である二人はいわゆるボーイミーツガールの法則に従って出会う二人だから。

初めて出会った時の印象が最悪のため、どこか惹かれる点があるとはいえ、アレックスは意地になってヘンリーを天敵であると認識しますが、やがて二人は恋に落ちます。

性別や国を通じた立場などに関係なく、惹かれ合う二人の姿が見られる本作は、とても読み応えのある作品でした。


女性初のアメリカ大統領を母に持つアレックスは、同世代のイギリス王子ヘンリーが大嫌い。

その理由は、数年前、初めて出会った時の第一印象が最悪だったから。

全く愛想がないし、自分に対して失礼な態度だったから。

その当時のヘンリーがどんな状況に置かれていたか知らないアレックスなので、長い間ネガティブな感情を持っていたのですが、ヘンリーの兄フィリップ王子の結婚式に出席することになったアレックスは、その時にヘンリー王子を巻き込んだ失態を演じてしまいます。

おりしもアメリカ大統領の選挙中。

母エレンは、アメリカ大統領の再選が掛かる選挙中。

その失態を挽回するため、また、アメリカとイギリスの国家関係を揺るがすことがないよう、周囲の訴えにより、アレックスとヘンリーは表面上親友を装います。

いわゆるメディア対策というやつです。

これを機に、アレックスはヘンリーが幼い頃に父を亡くした傷を引きずっていることに気が付きます。

そこから一気に友好的になる二人ですが、ヘンリーの秘密に触れた時アレックスが彼への恋心を自覚します。

国の違い、同性同士、出自など、様々な障害がありながらも二人はその恋に向き合うことになります。


二人をサポートする脇役達も魅力的。

というか、この脇役達のお蔭でアレックスとヘンリーの恋は守られたようなものですね。

アレックスには、理解ある姉ジェーンと副大統領の孫ノラがいて、二人との会話によりヘンリーへの恋心を自覚することに。

ヘンリーは長い間心の支えになってくれた姉ビエトリス王女がいます。

(兄フィリップ王子とはあまり仲が良くなく、このあたりもアレックスの兄弟仲と対比になって面白いです。)

他にも、アレックスの母やその秘書ザラなど、この作品に登場する女性達の活躍が目立つような気がします。

第一印象最悪のところから、恋人まで突き進むカップルというのはよく見聞きする物語ではありますが、キャラクターの悩みどころや国家レベルのスケールの大きさにより、読者も楽しめる作品になっています。


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