Author: Candace Bushnell
翻訳版の有無: あり。邦題「セックスとニューヨーク」
映像化: あり。ドラマ「Sex And The City」、映画「Sex And The City」、「Sex And The City 2」
英語レベル: Advancedレベル(洋書を1年間に1冊読了出来る)
この本は、こんな人達にオススメします。
・恋バナが好きな人
・本をドラマへ変えるプロセスが気になる人
・新しい恋をしたい人
本書の第一章の途中で感じたのが、「この本のドラマ化を考えた人、すごい!」でした。
というのも、私が初めにイメージしたのは、本書も映像作品で出てきた四人の素敵な女性達を中心とした恋愛小説だと思っていたのですが、エッセイだったのです。
映画同様、キャリーがニューヨークと恋愛(あるいはセックス)をテーマとした記事を書く体で物語が進みますが、ドラマもなければ波乱な恋愛模様もない。
先に映像作品を見て、本書も同じように進んでいくという期待を捨てれば、ニューヨークに住む人々の恋愛観を気軽に読める作品です。
ただ、先に書いたように、私は映像から入ったため、本書で四人の女性達があまりに交流しないため、物足りなさを感じてしまいました。
映像先品と本作を独立したものとして扱った方がよいかもしれません。
恋愛のパターンや数々の恋愛エピソードを描いた本作は、とはいえ「キャリーがエッセーを連載する」というところがあまり強調されていないため、映像作品の印象の強さに負けてしまったように感じます。
一つの恋に対する著者の意見が丁寧に描かれていて、恋愛は楽しいことばかりではないけれど、恋をしたくなる気持ちになります。
(中にはプライベート制のセックスクラブを取材するエピソードもあり、性描写自体は出てきませんが刺激的でした。)
一応、キャリーの他、彼女の友人である三人の女性達や、ミスター・ビッグも登場するので、馴染みのある名前にほっとすることは出来ます。
原作者であるCandace Bushnell以外にも、Sex And The Cityに関わった人の作品は今まで読んでいたのでリマインドします。
Sex And The Cityプロデュースに関わったLiz Tuccillo(リズ・ターシロ)氏や、彼女と共同執筆したGreg Behrendt(グレッグ・ベーレント)氏の作品にも過去に挑戦したことがあり、彼らの作品も映像化されています。
彼らの作品も、本作と同様に、書籍と映像作品は別物として扱った方がよい、独立した作品になっています。
それぞれの良さが出ていますが、三つとも映像の方が完成度も高く、面白かったと思える作品でした。
もちろん原作も素晴らしいのですが、本からスパイスをもらい、作られて素晴らしい映像作品に変えられたのは携わった映像関係者の力によるものだなと、本を読んで思いました。
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