Author: Alice Hoffman
翻訳版の有無: なし
映像化: なし
英語レベル: Basicレベル(洋書に一日3分向き合える)
この本は、こんな人達にオススメします。
・忘れたい過去がある人
・大事な兄弟に謝りたい人
・人生やり直したい人
次の読書は何にしよう。
そう思ってAmazonで本を探すたびに、よくオススメで宣伝されていたのがこの作品。
「面白そう」と思って特に何も考えずに購入しましたら、ショートストーリー。
フォーマットにして30数ページで、あっさり読み進められます。
しかも取り上げたテーマも、どこにでもある兄弟の不和と再生の物語。
早速読んでみました!
イザベル(Isabel)の人生は現在どん詰まり。
夫の浮気が原因で離婚し、現在はパートナーはおらず、ニューヨーク在住の彼女の稼ぎは犬を散歩させることで収入を得るドッグウォーク。
正直、自分がこの先どこに向かっているのかわからない。
そんな折、火曜日に差出人不明の手紙を受け取ったことで、自分が故郷へ残してきた家族のことを思い出します。
二歳年上の姉ソフィー(Sophie)と喧嘩別れし、以来十年は交流を絶っている二人。
差出人不明のこの手紙は、きっと彼女からのはず。
そして、そこには「助けて」の一言。
幼少期に母を亡くし、心が折れていく父を見て育ち、実家の古い本屋は手放したいイザベルに対し、ソフィーはその本屋を守りたいという考えの持ち主。
実家を出てニューヨークに住み、すっかり都会の人になったイザベルを待ち受けていたのは、思わぬ人と時が止まった家族。
未来へ進むため、イザベルとソフィーが下した決断と彼女達の行動に励まされました。
二人を繋ぎ合わせた人も実は女性なのですが、本当にこういう話を読むと、女性って影響力があるなと思わされます。
「助けて」の理由はソフィーにあるのですが、彼女を助けるためにイザベルは負債となった本屋を使ってなんとか窮地を脱しようと行動します。
もちろん、この行動へ移すまでに、彼女はたくさんのエネルギーを使いました。
彼女は母の死以降、実家から、故郷から抜け出したいと思いそれを試みてきました。
大人になってその思いをようやく実現させ、ニューヨークで自身の生活基盤を築き上げたものの、挫折することになるイザベル。
自分の子供時代と向き合うことで、イザベルは未来へ一歩前進します。
ソフィーもまた自身が経験した悲劇から立ち直ります。
地元に残り流れに身を任せて生活するしかすべがなかったソフィーは、イザベルとの不和の後、十年の月日を経て妹と再会し、彼女と手を合わせて立ち直るのです。
小さな町で起こした小さな奇跡。
なんて言うありがちな物語ですが、イザベルとソフィーが家族として再生する姿に共感できました。
短いし安価だし共感できるストーリーだし、ちょっと読むには丁度良い作品です。
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