Author: Dr. Seuss
翻訳版の有無: なし
映像化: あり「ハットしてキャット」
英語レベル: Basic(英語に一日3分向き合えるレベル)
*続編にThe Cat in the Hat Comes Backがあります。
この本を読むと、「退屈な時間の潰し方は人それぞれ違うことがわかる」というベネフィットを得られます。
読書ビギナー向けに作られたDr. Seussの作品は、話の中身ももちろんですが、読書する練習にもってこいの作品だという点も愛される理由の一つ。
韻を踏んだ言葉選びには感服します。
過去に私は同じDr. Seuss作品の一つ「How The Grinch Stole Christmas」を紹介したことがありますが、個人的にグリンチと本作はDr. Seussの代表作ではないかと思っています。
当然、他にもファンがいらっしゃいますので、是非ご意見を聞いてみたいです。
で、先に紹介した順番の通り、私はグリンチを先に知っていて、そこから流れてCat in the Hatにたどり着いています。
この作品は、家で静かにお留守番する兄妹の元に何の脈絡もなく帽子を被った猫が現れて、家じゅうをめちゃめちゃにしていくお話となっていて、文章で書き出すと「迷惑」の一言に尽きます 笑
しかも、本記事の冒頭の通り、Cat in the Hat Comes Backという続編が存在し、そこでも家の周りをめちゃめちゃにする猫の話を描いているので、兄妹に二回も迷惑が掛かっているんですね 笑
その話の流れが子供へ読み聞かせする時に面白がられるでしょうし、韻を踏んだ文章も愛されるエキスの一つ。
はちゃめちゃな存在に振り回される兄弟の構図というのは、過去に紹介した「長くつ下のピッピ」ともよく似ています。
ただピッピでは、ピッピを基準とすると平凡で面白みに欠ける兄と妹が破天荒なピッピに惹かれて、彼女にくっついて「今日は何して遊ぶ?」と二人とも彼女に頼っていた印象を受けた一方で、本作では兄も妹も猫の破天荒ぶりに迷惑そう。
ピッピでの三人の関係が友人であったのに対し、本作での三人の関係は兄弟と突然現れた喋る猫なので、感じ方が異なっても無理ありません。
そして、おそらくこちらの兄と妹は自分達が好きな時間の潰し方をわかっています。
人それぞれ時間の潰し方は異なります。
大人でも、ソーシャルゲームをする人、読書する人、動画を観る人、寝る人、様々です。
喋る猫は家の中に喧騒を持ちこんで、兄弟の気を引くために心を砕いてくれますが、兄も妹も静かに雨が降る様子を見ながらお留守番するのが好きならば、猫の行為は的外れなもの。
子供なら元気よくエネルギー消費の時間を使って時間を潰す方が楽しいかと思いますが、せっかくの自分の自由な時間に自分のやりたいことが出来ないのは不満が溜まるもの。
そして、暇を持て余すところに自分が主体的に時間潰しするか、人に楽しませてもらって時間潰しするかで随分と時間の使い方の価値が分かれるかと思います。
本作は確かに子供への読み聞かせにぴったりな、子供向け作品ですが、見方一つ違えると時間の使い方を問う作品のようにも捉えられます。
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