Author: Rudyard Kipling
翻訳版の有無: あり。ジャングル・ブック
映像化: あり「ジャングル・ブック」
英語レベル: Advance(一年間で一冊洋書を読了出来るレベル)
この本を読むと、「自分の居場所は自分で作れることを気づかせてくれる」というベネフィットを得られます。
日本人の子供達が多く触れているアニメ作品には、二大巨頭があると私は思っています。
一つはジブリ作品、もう一つはディズニー作品。
このブランドを作り上げた方々は、本当に様々なジャンルの作品に触れて、映像化していっているんだなと改めて感じます。
ディズニー作品として映像化された本作「ジャングル・ブック」は、実は私はまだ観ていません。
未だに同じディズニー作品「ターザン」と間違う 笑
(そして「ターザン」もまだ観ていない)
いつか観たい思っているし、どうせなら原作となった洋書を読んでしまえ、と思って本作に手を出しました。
原作は「The Second Jungle Book」という続編もあるので、読了後にもれなくアウトプットします。
さて、概要だけ触れても面白い本作。
ジャングルで虎に追われた人間の家族のうち、赤ちゃんだけが取り残され、狼の群れに助けられて、彼らに育てられて成長する話です。
これだけですと何やらファンタジー作品ですが、実はやがて少年に成長した主人公が自分の居場所を探す作品となっています。
それもそのはず、人間が狼の群れで育てられるのですから、体は人間の姿でもマインドは狼。
村に戻るエピソードがありますが、人間社会には様々なルールがありますから、窮屈に感じます。
本作は、主人公が自身の歪な環境を作った原因の虎と対峙し、それを乗り越えることで自分の過去を決着されることになります。
さて、居場所がなく孤独な立場にいる主人公の少年、モーグリ(Mowgli)ですが、彼の性格も物語の雰囲気も不思議と悲壮感がなく、彼が親交のある狼達やある種師匠のような存在の熊バルー(Baloo)と黒豹バギーラ(Bagheera)とも溌溂と交流します。
彼の宿敵の虎シア・カーン(Shere Khan)との対決も、恨み節を連ねることはありません。
長年モーグリを守ってきた狼の長が年老いてその均衡が破られる時、モーグリとシア・カーンが対立することになるのですが、その時の状況にモーグリが向き合ってシア・カーンと対立することになります。
狼の群れの中にいながらも、姿は人間で、狼の長の力が弱まるにつれ一族から邪険にされていくモーグリ。
人間の中にいれば異質だとされるモーグリ。
物語の最後には、彼は自分が輝ける場所を求めて仲間の狼を引き連れて旅立ちます。
彼の姿は、私達にも「自分で居場所をみつけよう」と語りかけてくれるようにも思えます。
私達は子供のうちは、誰かの手で与えられた場所を自分の居場所と捉える傾向があります。
親や学校、社会がそれです。
あるいは、自分が親になったことで「子の親」という居場所を得ます。
ですが私達はこれらとは別に、新たに自分が輝ける場所を作ることが出来るのです。
今いる環境を飛び出し、新しいことに挑戦する。
例えば転職、クラブ活動への参加や離脱がそれです。
月並みですが、自分が心地よいと思えない、大事に扱われていないと感じたら、今いる場所を飛び出して、新しい環境に移ってもいいのです。
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