Author: Mary Stewart
翻訳版の有無: あり「小さな魔法のほうき」
映像化: あり。「メアリと魔女の花」
英語レベル: AdvancedよりのBasic(一日3分英語に向き合うことができるレベル)
この本を読むと、「自分で考える力が身につく」というベネフィットを得られます。
私の周りにいる年が近い人達は、「私はディズニー作品を観て育った」とか「私はジブリ作品を観て育った」という人が多くいます。
私自身も子供のアニメの二大巨頭だと思います。
そんなディズニーも、ジブリも、オリジナルである人々と次世代とで入交り、代替わりすれば雰囲気も変わるもの。
その、ある意味代替わりした集団が、ジブリにとってのスタジオポノックなのでしょう。
(ディズニーも独立した集団がいます。)
そのスタジオポノック作品は、本作の影響を受けて作られました。
メアリ(Mary Smith)はとんだ災難に見舞われました。
年の近い従兄弟たちがいる叔母の家で休暇を過ごすはずが、叔父と従兄弟たちの体調不良のために、大叔母シャーロット(Great-Aunt Charlotte)の元に行くことに。
五人家族の末っ子で、双子の兄と姉は互いがいるのに、自分はひとりだけという事実に孤独を感じるメアリは、シャーロット大叔母さんの下で退屈さを感じていました。
お手伝いして時間を潰そうとするも、うまくいかずに厄介者だと感じる始末。
それでもメアリは、庭師ゼベディー(Zebedee)について自分の出来ることを探す途中、小さなほうきをみつけます。
時同じくメアリは、7年に一度しか花を咲かさないという小さな美しい紫の花「fly-by-night」をみつけ、ゼベディーに詳しく話を聞きます。
その花を誤って潰し、花の液が付いた手でほうきを握った瞬間、空高く飛び上がり、メアリを魔法を学べるエンドア大学(Endor College)につれていきます。
その大学で出会った学長マダム・マンブルチューク(Madam Mumblechook)やディー博士(Dr. Dee)はメアリを将来有望な魔女として期待するも、メアリはその大学の雰囲気や学長室に続く不思議な部屋で見た檻に異様な空気を感じるのです。
現実世界では独りぼっちに感じる子供が、魔法の世界に迷い込み、どうにか元の世界へ戻ろうとする物語には幾度となく出会ってきました。
本作がユニークなのが、メアリが周りに流されながらもそこまで深く悩まず、一つずつ自分が何をすべきか考えて行動していく姿です。
シャイな子と表現されていますが、シャイゆえか、周囲に流されて魔法使い志望と偽りますが、うまいことマンブルチューク学長の学長室に入って本を一冊盗んでみたり、現実世界でもなんとか大叔母シャーロットのために動こうと、彼女の家で働くメイドたちに自分から手伝いを申し出たり。
内気で思慮深い主人公が考えに考え抜いて、なかなか行動せず、物語後半でピンチが起こりようやく行動するパターンはよくありますが、メアリは悩んでも深く悩まない 笑
これは映像作品でもそうでしたが、彼女は自分が人々の役に立てずに落ち込んでもすぐに立て直して次のお手伝いに手を出しているんですよね。
これが彼女の魅力だなと思いました。
本作は魔法が掛かったほうきに出会って魔法の世界に行き、秘密を紐解きながらピンチを乗り越えて元の世界に戻る、というシンプルなプロットに沿って物語が進みます。
メアリが出会う人、動物など魅力はありますが、シンプルゆえに大人も楽しめるファンタジーというより純粋に子供向け作品になっています。
シャイな子でも次々自分で考えて行動しよう、という姿をシェアしたい場合は、本作は手軽に手に取れる良い作品になっています。
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