Author: Antoine de Saint-Exupery
翻訳版の有無: あり。邦題「星の王子さま」
映像化: あり。「星の王子さま」
英語レベル: Basicレベル(洋書に一日3分向き合える)
この本は、こんな人達にオススメします。
・大人になったけど、子供の純真さを持ち続けている人
・疲れている人
・旅人、○○ジプシーな人
レポートを書く前に、作者のサン・テグジュペリへ謝りたいです。
私、なぜか偏見を持っていました。
深掘りしたところ、初めて観たフランス映画を全く理解出来なくて、フランス作品に対して良い印象を持っていなかったことがわかりました。
本作品は、全くそんなことはありません。
(その後、良質なフランス映画にも出会うことが出来ました!)
さて、本作は、大人、つまり常識にまみれて頭がガチガチになった人と、先入観のない純粋な子供の比較が出来る良い作品になっています。
ちなみに本作で大人をadultではなく、grown upsと表現しています。
それは冒頭、主人公がシェアした象の絵のエピソードからうかがえます。
彼が描いた絵を大人達はこき下ろします(少なくとも主人公はそう感じました)。
大人達は想像力ではなく常識をベースに主人公が描いた象を評価して、それを聞いた主人公が絵を描くことを放棄することになるのです。
そんな主人公が成長し、ある旅行中に自身が操縦する船が墜落してしまい、問題に向き合っているところに星の王子さまと出会ったことで、彼が頭ガチガチのgrown upsの一人であることにやがて気付くのです。
この気付きが、疲れている人によいスパイスになると信じています。
というのも、私もこれを読み始めた時寝不足でした。
変な偏見を持った状態で、疲れた頭で読み進めたところ、主人公は自分なのではないかと思い始めたため、本作に集中することが出来ました。
主人公の船が墜落して困っているところに、見ず知らずの王子様風情の人が現れて、羊の絵を描いてほしいとせがまれたら、あなたはどう感じますか?
快く絵を描いてあげますか?
私は思わずこう反応します。
「はぁ?」と。
眉を顰めて、そんな質問をした相手の根性を疑いますね。
それより墜落した船を一緒に直すか、直してくれるプロを呼ぶか、それ以外の解決策を一緒に考えてほしいと思います。
主人公はやがて王子さまの要望を聞いて羊の絵を描いてあげて、自分の中の子供心、つまり絵を描くのが好きだという気持ちを思い出させてくれるのです。
主人公が星の王子さまと出会えたのは、彼が旅をしていたから。
どんな目的で船を操縦していたのか背景の説明はありませんでしたが、主人公は自分のコンフォートゾーンを抜け出す勇気を持っています。
それが転じて根無し草になってしまうと、自分の居場所迷子になりかねません。
自分の軸を持ち、どんなことがあっても戻って来られる居場所がある人は強いと思える作品になっています。
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