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Book Report: The Prince and the Troll

  • 執筆者の写真: Masumi
    Masumi
  • 2023年7月16日
  • 読了時間: 3分

Author: Rainbow Rowell

翻訳版の有無: なし

映像化: なし

英語レベル: AdvanceよりのBasic(英語に一日3分向き合えるレベル)


この本を読むと、「思いやりは、自分と相手との違いに寛容になるきっかけだと気づける」というベネフィットを得られます。


先日、いつものように「なんか面白そうな洋書はないかな」とAmazonをブラウズしていたところ、Amazon Originalと銘打った作品を見つけました。

概要を読むと、童話にベースに書かれた短編集とのこと。

別な時に「Disney Princessesを基に作られた小説」と銘打ったこれまた別な小説を発見して、読むか読まないか迷ったのですが、その時は購入を見送りました。

で今回みつけたAmazon Originalは全5冊購入したのですが(笑)、そのきっかけは単価と短編ということ。

実は購入して読了したのは六月なのですが、先月は読了出来そうな作品が他の月に比べて少なくなりそうな予感がして、モチベーションが下がっていたのです。

で、読了数を稼ぐために購入しました。

我ながらチート。


第一弾の本作品「The Prince and the Troll」は、グリム童話のカエルの王様をモチーフにしたお話。

丁度グリム童話も読み始めたところで、一番初めの作品がカエルの王様なので、本作もウキウキしました。

橋の上、道路に住む人間の男性と、橋の下、泥の中に住む不思議な生物の女性。

男性がスマートフォンを橋の下に落としてしまったことから、泥の女性が拾い、そこから異種族交流が始まる物語です。

スマホが登場したり、二人がデートする時にスターバックスの飲み物を一緒に飲むシーンが登場し、ファンタジーなのに現代的に描かれていて、読みやすい。

かつ短編で会話に集中した表現方法に、あっという間にページをめくる手が進み読了しました。


先述したように、男性は人間で女性は泥の生物。

異種族で、どうにも結ばれることは難しい状況ですが、何とか男性の方が女性を橋の上にあげようとするんですよね。

相手を理解しようと歩み寄る姿勢が素敵ですが、やっぱりここは人間の性質か、相手を自分が住む場所に引き入れる(相手を自分のスタンダードに合わせようとする)んですよね。

自分と相手との違いを認め合う第一歩が人間関係の第一歩。

これはこの作品から再認識することが出来ました。


今、SNSや情報過多により、様々な考え方を持った人達と繋がることが出来ます。

そうすると出てくる、自分と相手との違いで違和感の数々。

最もわかりやすいのは、生まれ持った生物学上の性。

体と心が一致していればシンプルなのですが、一致しない人もいるし、二つokの人もいるし、二つともNGの人もいる。

それが発信のお蔭で、全く関係ない人のこともわかるようになっている。

そういう世の中の流れになりつつあるのでそれはいいのですが、問題は自分と相手との違いを発見した時にどう反応するか。

「それは違う、私と異なる、間違っている」と拒絶して攻撃するのか、それとも「そういう考え方もあるよね。AもBもok。でも私はAを選びます」とするのか。

それによって相手との関わり方が変わってくる。


本作は後者がよく見られました。

でももっと深く相手と繋がりたいと思う気持ちから、「あなたも私が選んだAにしなよ」という雰囲気に変わっていくのが伝わります。

人間関係を深める中で、何か相手と方向性の違いをみつけたら、上手に話し合いをして妥協点を見つけるのが良いのだと思いますが、まずは自分と相手との違いを理解することは大切だと、この作品を読んで改めて感じました。

私も押し付けるところが出たら、AもBもokって言えるようにしよう。



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