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執筆者の写真Masumi

Book Report: The Water Horse

Author: Dick King-Smith

翻訳版の有無: あり。「おふろの中からモンスター」

映像化: あり「ウォーター・ホース」

英語レベル: AdvanceよりのBasic(英語に一日3分向き合えるレベル)


この本を読むと、「好奇心は時に大きな責任を伴うと気づかせてくれる」というベネフィットを得られます。


King-Smith氏が書いた作品を読むのは、今回が二回目になります。

前回は映画「ベイブ」の原作「The Sheep-Pig」を読み、温かな気持ちになったのを覚えています。

King-Smith氏は動物を主人公にした児童書をたくさん書いているようで、非常に高い評価を得ています。

さて今回も動物がピックアップされていますが、この動物は恐竜の赤ちゃん。

きゃぁ、このプロットは昔日本でも映像化されているものを思い出させてくれました。

「Coo遠い海からきたクー」を思い出します。


主人公のカースティー(Kirstie)が海辺で見つけた卵を持ち帰り、お風呂に水を溜めて浮かせていたら孵化して恐竜が生まれます。

その恐竜を家族一丸となって世話し、やがて野生に返すというシンプルな物語ですが、普通の動物と違い恐竜なわけなので、メディアや政府に絶対に知られずに自然に返すというスリリングな展開も待っています。

未知の存在に手を焼く家族ですが、両親と子供、祖父と子供達(カースティーの母の父親の視点では父と娘、カースティー自身の視点では、祖父と自分)の絆が深まるのを見られることが出来ます。

いつも不満そうな点から祖父はグランブル(Grumble)と呼ばれているのですが、恐竜をお風呂で発見したその日から子供に戻ったみたいに素直で、世話に熱心で、家族との距離がどんどん近づいていくのが微笑ましかった。


さて、そんなポジティブなコメントを出来るのはここまで。

初めはカースティーの好奇心で拾われた卵ですが、これは恐竜の卵ですし、未知の生物をお世話することになったのだから、相当な苦労と責任がこの一家に課されたのは事実。

さっさと政府やメディアに情報を流してこの恐竜を引き渡してもよいのではと、私はとても現実的なことを考えたのも事実です。

卵を持ち帰る、あるいはもっと身近なパターンにすり替えると、野生動物を家に連れて帰るという行動は、一見思いやりのある行動にも見えます。

でもその実、世話をしきるという責任がなければ、下手に動物に手を出してはいけないとも思います。

動物アレルギー、金銭的な問題、そして病気やお別れの時のことをよく考えて決断しなければならないですよね。

心優しい子供の気持ちはよくわかります。

その時、苦しんでいる動物を助けてあげたいというのは、とても自然な気持ちです。

それは、相手が恐竜の子供でも同じ。


これは物語なのでフィクションとしてコメント出来ていますが、実際にペットを飼うとした時に考えなくてはならない問題です。

「やってみたい」「これをするとどうなるんだろう」という挑戦する心や、好奇心を持つことは大事なこと。

ですが、それには責任が伴うこともよく理解しておかなければならないなと改めて確認した作品になりました。



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