Author: Julia Quinn
翻訳版の有無: あり。「青い瞳にひそやかに恋を」
映像化: あり「ブリジャートン家」
英語レベル: Advancedレベル(一年に一冊洋書を読了できる)
この本を読むと、「逆境に立ち向かう力を与えられる」というベネフィットを得られます。
前作"To Sir Phillip, With Love"を読了した興奮冷めやらぬうちに、次回作である"When He Was Wicked"に挑戦。
いよいよブリジャートン家の恋愛模様も本作含めて三人分となりました。
今回は六番目の子供で三女のフランチェスカのお話。
第一作ではフランチェスカは名前しか登場せず、謎に包まれた女性です。
Netflixもちらっとしか出てこなかった。
そんな彼女は、ブリジャートン家の明るく、口達者な子供達とは一線を画す子で、いわゆるblack sheepです。
伯爵の夫ジョンとは幸せの結婚をし、目下悩みはなかなか子供に恵まれないことと、ジョンと兄弟同然に育った彼の従弟マイケルが浮名流しまくりで中々落ち着かないこと。
それらを除けば幸せなフランチェスカでしたが、突然夫を亡くす悲劇に見舞われます。
希望をすべて失った彼女は、失意の中、四年の歳月を掛けて心を癒しました。
一方、マイケルはというと、ジョンが亡くなって間もなくインドに旅立ちます。
というか、逃亡します。
マイケルは、フランチェスカに恋をしていて、ジョンが存命中は何とか理性と浮名で自分の気持ちを紛らわせていましたが、ジョンの死により伯爵の地位も領土も彼の手に転がり込んできます。
とはいえ、フランチェスカに迫るなんて想像すると、ジョンへの罪悪感に襲われるマイケルはいたたまれなくなってインドに行ってしまうのです。
突然の別れにより環境が変わった二人は、離れている間その傷を癒し、再会を果たします。
いやぁ、フランチェスカのエピソードは作品紹介で概要を知っていましたが、ここまで鬱スタートだとは想像出来なかった。
本当に、冒頭の四章でフランチェスカの立場は変わるし、頼るものをすべて失うし、何で彼女だけ、という思いが生まれます。
正直、何で彼女だけと思わせるエピソードは本作のセカンド・エピローグでも出てきます。
他の兄弟と比較し、静かで特定の兄弟とそこまで強い結びつきのないフランチェスカですが、彼女も一人で自分の道を切り開くタイプ。
それも、一般的に考えると人がしない苦労が身に掛かっても、ちゃんと対応出来るタイプ。
その点は後妻として結婚したエロイーズと似ているかも。
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