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執筆者の写真Masumi

Book Report: Where The Wild Things Are

Author: Maurice Sendak

翻訳版の有無: あり「いるいるおばけがすんでいる」、「かいじゅうたちのいるところ」

映像化: あり。「かいじゅうたちのいるところ」

英語レベル: Basic(一日三分英語と向き合えるレベル)


この本を読むと、「自分だけの世界を持つ大切さを実感出来る」というベネフィットを得られます。


私には子供の頃から持っていた世界があり、それを大人になる過程で引き継ぎ、今も大切にしています。

それは、「読書」や「書くこと」といった文字の世界、形は何度も変わりましたが総じて「踊る」というダンスの世界、など無数にあります。

あと思考やイマジネーションも私だけの世界です。

さすがに大人なので、他人の交流も受け入れることで摩擦が起きてそれらの世界が広がることを知っていますので、一定の境界線まで他人を受け入れることも出来ます。

でも、自分だけの世界って、自分一人がすっぽり入る居心地のいい世界ですよね。

自分の世界を持つ大切さを実感させてくれるのに、本作はぴったりではないかと私は感じています。


本作は主人公の少年が、遊びの時間に家族から食事に呼ばれ、言うことを聞かず、それに対し家族が食事抜きを言い渡したところから始まります。

この主人公の少年マックス(Max)は、食事抜きで部屋に送られたことに腹を立て、自分の世界に向かって船に乗り海へと出ていきます(海に出るところからマックスの想像の世界が繰り広げられます)。

彼がたどり着いた先はある島で、そこはかいじゅうたちのいるところでした。

彼らと仲良くなり、かいじゅうたちのリーダーとなったマックスですが、やがて自分の家が恋しくなります。

最後はかいじゅうたちと衝突しながらも、彼らに見送られて自分の家に帰っていくマックス。

彼が自分の世界から現実世界に戻ってくるところで物語はおしまいです。


自分の世界と現実世界の行き来は、子供だけではなく大人も行うことかと思います。

ここでいう自分の世界は、自分の頭の中と自分が外に向かって作る世界。

現実世界は、自分以外の世界のことで、一番身近なのは親子関係ですね。

まず自分は誰かの子供であるので、子としての自分と親が交流する世界があり、もしかすると自分は誰かの親であるパターンもあるので、親の立場で自分の子供と交流する世界もまた別に作られることになります。

そのほかにパートナーとの関係があり、友人関係があり、仕事に関わる関係があり、と外の世界はどんどん広がります。

様々な人間関係が構成される世の中ですが、私達は各々自分の世界を持っていて、外にエネルギーを出すこともするし、内にエネルギーを向けることもあります。

外に向けるエネルギーは発信や、外側の世界との交流。

内に向けるエネルギーは自分がその世界の中に入り込み、考えたり勉強すること。

どちらも行うことでバランスが取れ、エネルギー値が高めていくことが出来ます。

イマジネーションに力を置いてしまうと、内側にばかりエネルギーが向かうので、外の世界との交流が億劫になることもしばしばあり、協調性のない人間が出来上がってしまいますね。

その点を考えると、本作に登場するマックスは最後には自分から外の世界へ戻っていくので、自分の内側の世界とのバランスが取れているなと感じられます。


私達には各々どういう人生を送りたいか考えるチャンスがあり、その上で作り上げる世界があります。

本作に触れると、改めて自分がどんなエネルギーを外と内に発信するか、考えさせられ、そしてどちらの世界も大事だと実感できます。



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