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執筆者の写真Masumi

Book Report: Winnie-The-Pooh

更新日:2022年6月5日


Author: A. A. Milne

翻訳版の有無: あり。「くまのプーさん」

映像化: あり

英語レベル: Basicレベル(洋書に一日3分向き合える)

*続編に「プー横丁にたった家」がある。原作の名称は"House At The Pooh Corner."また、 作者の詩集"When We Were Very Young", "Now We Are Six"には、作者の息子のクリストファー・ロビンや、プーさんの前身ともなるテディベアが登場する。



この本は、こんな人達にオススメします。

・Myルールに則り思い込む人

・意外な特技を持っている人

・ピンチはチャンスと考えられる人


世界的に有名なウォルト・ディズニーの作品の一つである「くまのプーさん」。

ずんぐりした見た目とおっとりした性格の彼は愛らしく、多くの人達から愛されています。

彼の友人として描かれる他の動物達や、彼らが慕う人間のクリストファー・ロビンも個性的で、作品の魅力となっています。

そんなディズニー作品に真っ向から私は喧嘩を売っていました(ちょい大袈裟)。

そう、これぞ私の思い込み。

「ディズニーの正当な作品はミッキーマウスとその仲間達。いくらミッキーと同じくらい人気でも、ミッキーが王道ならプーさんは邪道だね」

くまのプーさんの作者がディズニー兄弟でないことを知った考えの幼い私は、変な正義感を思いっきり振りかざしてしまったのですね。

えっと、私、何様?

こんな感じだったので、ディズニーの映像作品は本日時点でまだ一つも観ていません。

実写化映画「プーと大人になった僕」を観て、ようやく初めてプーさん作品に関わることになります。

これを観たからうっすらと興味が芽生え、いつか原作を読んでみようという気持ちになり、今回挑戦してみました。

そうしたら、キャラクターの一人一人が魅力的。

どうして食わず嫌いをしてしまったのか、今でも不思議でなりません。


本作品と続編は、それぞれ10つの短編で成り立っています。

ハンドレッド・エーカーという森に住むプーさんとその仲間達の日常を描いています。

プーさんと友達である人間のクリストファー・ロビンは時々その森に訪れ、時にプーさん達とプチ冒険をしたりなんていうエピソードも見受けられます。

本作品の第一話では、プーさんは作者ミルンの息子であるクリストファー・ロビンのぬいぐるみとして登場し、そこからプーさんの物語が始まる構成で描かれています。

くまのぬいぐるみをEdward Bearといい(エドワード・ベア。テディはTeddyと綴りますが、Edwardの愛称がテディです)、クリストファー・ロビンのお気に入りです。

ちなみにテディベア愛称は第26代アメリカ大統領セオドア・ルーズベルト氏の熊狩りのエピソードに由来します。

熊狩りの最中に瀕死の熊に遭遇したルーズベルト氏でしたが、そんな状態の熊を撃つのはルール違反として、その熊を避けたといいます。

そこから熊=ルーズベルト氏と繋がったそうです。

セオドアTheodoreもTeddyですね。

エドワード・ベアとセオドアがどこで繋がるかまで深掘り出来ていませんが、愛称だけみればどちらも筋が通っています。


さて、くまのプーさんに対する私の思い込みは、ディズニーという看板だけに留まりません。

キャラクターそのものにもあります。

彼はのんびり屋で食いしん坊、見た目もずんぐりむっくりして、機敏そうに見えません。

作中、文字の読み書きが出来る梟のアウル(Owl)と兎のラビット(Rabbit)は、僕らは頭脳があり、他の友達は毛がある(確かWe have brain, others have fluff.)という旨のコメントをし、自分達が頭脳派のポジションにいることを伝えており、作品を通してプーさんは頭脳派でないことが読み取れます。

しかし、頭を使うことだけが人の特技ではありません。

プーさんには詩を書き歌うという意外な特技があるのです。

好きな歌を適当に歌うのではなく、rhymeといって単語の韻を踏んでいるし詩自体もしっかり作りこまれていて、プーさんのアーティストとしての才能もうかがえます。

大雨によって洪水状態になり、避難が必要な子豚のピグレット(Piglet)が小瓶に助けを呼ぶ手紙を入れて水に流し、その小瓶を見つけたプーさんが救出に向かう話もありますが、そのシーンから友達思いであることはもちろん、勇敢で行動力がある姿もうかがえます。


意外性のある作品とも言えるくまのプーさん。

彼の仲間の一人が続編プー横丁にたった家からしか登場しないこと、また、プーさんの一番の仲良しであるピグレット(少なくとも私は思っていた)の登場がラビットの登場より後であることも意外でした。

そして、一番の驚きであり、今回の思い込みにも繋がるのが「プーさんと病理テスト」。

本作品に登場するクリストファー・ロビンを含めたキャラクター達が、いわゆる障がいを持つ人を表すというのがこのテスト。

ウィキペディア調べではこの記述はありませんでしたが、キャラクター達がそんな特徴を持っていると言われているは、この病理テストを受けるまで知りませんでした。

確かに、どのキャラクターもちょっと変わった言動をします。

プーさんでいうと、突発的な、衝動的な行動をする場面がしばしば見られます。

友達のピグレットは不安を抱える性格の持ち主だし、皆言われてみれば、危なっかしさを感じます。

この病理テストとの関係の真意はわかりませんが、それももしかしたら大人がこじつけた思い込みの一つかもしれません。

ちょっと変わり者の集まりであるくまのプーさんとの友達ですが、彼らから感じる魅力は薄れるどころか一層輝いています。

あぁ、本当に心が成長してよかった。

どの話も友情のお話ですし、ご興味がある方にはぜひ読んでいただきたいです。

改めて、ディズニーのメインキャラは、やっぱりミッキーマウスと譲れませんが、くまのプーさんの魅力を知って以降は、このキャラを好きになりました。


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