top of page
執筆者の写真Masumi

読了: The Patchwork Girl of Oz (OzPj)

更新日:2022年5月15日


洋書Lovers普及委員会 委員長のMasumiです。進捗報告です。


GWに入る頃に読み始め、5月に入ったと同時に読了したのですが、アウトプットしていませんでした。

一度筆を折った作者ボームが再び書き始めたOzシリーズ。

ですが、ボームは読者の声を受けて、新しいキャラクターと魅力的な物語を作って戻ってきました。


今回はオズ国の中のチームカラー青を持つウィンキーの民が主人公。

オジョ(Ojoと綴る)は、口数の少ない伯父のアンク・ナンキー(Unc Nunkie)と二人きりで過ごしています。

*おそらく、Uncは伯父/叔父=uncleの略

自宅を離れて旅をすることになった二人は、伯父の古くからの友達である魔法使いの家へ訪れます。

Crooked Magician(crookedは体が曲がっていることを指します)と呼ばれるドクター・ピプト(Dr. Pipt)とその妻マーゴレット(Margolette)に迎え入れられます。

その時魔法使いは、無機物に命を与える魔法の粉を製作している途中で、大詰め。

お茶を出してくれたマーゴレットと話をしていると、ようやく六年の年月を掛けて作った粉が完成し、ドクター・ピプトは部屋から出てきます。

そして、粉を作った目的であるつぎはぎ娘へ粉を掛けてやるのですが、その時に起きたアクシデントのためにマーゴレットとアンク・ナンキーは石に姿を変えられてしまうのです。

元に戻すため、ドクター・ピプトはまた魔法の粉の製作を始め、その間にオジョは別の魔法に必要な材料を集める旅に出発するのです。


今回の主人公オジョは、伯父と二人きりしかいない小さな世界から、伯父を助けるため新たな仲間と旅に出るという壮大な世界へ飛び出していきます。

マーゴレットの助けをする目的で作られたつぎはぎ娘のスクラップス(Scraps)、魔法の粉の効力を試すために生命を与えられたガラスの猫バングル(Bungle)が、彼の旅のお供になります。

三人とも共通して、自分の意思とは関係なく周囲からの要求を受けて行動することになるキャラクターです。

お手伝い役として誕生するはずだったスクラップスは、マーゴレットに都合のよい材料(魔法使いの家なので魔法のポーションを使っています)を配合されましたが、オジョが余計な手を貸して余分なポーションを配合したために、スクラップスはより陽気でお喋りで頭の回転が早いつぎはぎ娘として誕生します。

バングルはガラスで出来た猫で、元々は観賞用の置物なので、何の役にも立ちません。

なのに、何か助けになることをドクター・ピプトとマーゴレットから求められますが、本来の目的に反する要求を受けてそれが満たされないため、バングル(=bungle台無しにする、壊すという意味)を付けられてしまいます。

彼も口達者なため、よくスクラップスと衝突します。

そしてオジョも、図らずも魔法を掛けられた伯父を助けるために、庇護の手を離れて材料探しへ出掛けることになります。

三人の闊達としたキャラクターが、重くなるはずの旅の空気を明るく変えてくれています。

もちろん、今回もドロシーやオズ国の統治者が登場するので、古くからの読者も新しい読者も楽しめる作品になっています。










閲覧数:2回0件のコメント

Comments


bottom of page